前回は、企業研修に力を入れることで、収益性を高め、さらにセミナー事業を広げるという話をしました。今回は、その企業研修とは少し異なる、新しい企業向けビジネスを展開した話を紹介します。それが企業とのタイアップです。
企業とのタイアップとは、たとえば企業がイベントを開催して多くの人に宣伝したいといった場合に、私のエクセル研修をイベントのネタに使ってもらうというものです。例を2つ紹介します。
(1)リクルートと、大学生向けエクセルセミナーを無料で開催
リクルートキャリアが運営しているリクナビは、ご存じのとおり大手の就職情報サイトで、大学生は就職活動の際、まずはリクナビに登録します。リクナビとしては、できるだけ早く大学生に登録してもらい、より多くの就職情報を提供することを目指すわけですが、大学生も忙しいので、なかなか登録してくれない。そこで、リクナビは、大学生に対して、「いまリクナビに登録してくれたら、エクセルセミナーに無料で招待」とキャンペーンを行いました。これによって、リクナビの登録を促進させようとしたわけです。
お金はどのように発生しているかというと、リクナビが私に対して講師料をお支払いただくという形になります。これによって、大学生は無料でセミナーを受講することができ、リクナビは安い費用でリクナビ登録を促進させることができ、私は講師料をいただくことができる、という形になります。
(2)ミクシィと、起業家向けエクセルセミナーを共同開催
もう一つの事例は、ミクシィです。ミクシィはご存じのとおり、大手インターネット企業ですが、ミクシィはアイ・マーキュリーキャピタルというベンチャーキャピタルを有しています。彼らは投資先を探す、あるいは投資先と良好な関係を築くために、イベントを開催し、起業家を集めてコミュニケーション機会を作り出したいと考えました。その際に、そのイベントのネタとして、私がエクセルを使ってどのように収益計画を策定するかについて2時間レクチャーすることになりました。
この収益モデルも、リクルートと同じく、ミクシィが私に講師料をお支払いいただく形になります。これによって、ミクシィは安価で起業家向けイベントを開催することができた、というわけです。
このように、企業研修とは異なる、企業向けビジネスを展開していきました。個人向けセミナーとは違い、会場費もかからないので、利益率が高いのが特徴です。個人向けセミナーばかり開催していると、売り上げが上がっても広告宣伝費や会場費といった費用もかさむので、利益率の高い事業を合わせて展開することで、赤字リスクを抑えることができます。