前回は、セミナーの続編をつくることで客単価を上げて、広告投資の効率を上げる戦略について話しました。今回は、またまた調子に乗って、さらに続編、つまり(1)超入門、(2)実践編に続く3つ目のセミナーをつくって客単価を上げようと画策した話です。
3つ目のセミナーの内容は、「会計基礎編」と称した、売上・費用といったP/Lだけではなく、設備投資や減価償却といったバランスシートまでエクセルでシミュレーションしましょう、というものでした。参加者には商社や会計士の方も多く、そのような方からの要望に応えたものでした。
これが、大失敗!参加者からの評判も悪く、これまでのセミナー経験上、最悪の経験でした。参加者からは、「むずかしすぎる!」「バランスシートなんて、ふだんの仕事で使わない!」という批判が殺到。もう、とんでもないことになってしまいました。
セミナーで教えることは、むずかしすぎず、仕事に役立つスキルでなければいけないわけです。当たり前のことですが、続編セミナーをつくると、どうしてもレベルが高くなったり、マニアックなものになりがちです。この失敗を通じて、一部の人からの要望に応えようとすると、参加者全体のニーズが見えなくなってしまうことを痛感しました。
ちなみに、この会計基礎編は、その後、会計士などの財務プロフェッショナル向けの研修講座として復活することになるのですが、それはセミナーが軌道に乗った1年先のことになります。
会計基礎編は、2014年1月に開始したものの、4月には中止しました。その代わり、またちがう続編を作らなければ…。
次は、もっとわかりやすく、そして参加者の関心を引くテーマがいいだろう…ということで、「実践編2」と称して、東京ディズニーリゾートの収益をエクセルでシミュレーションしよう、というテーマで開催しました。東京ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランドが公表している経営戦略・重要指標・現在の収支データをもとに、将来のディズニーの収益を予測できるモデルを作成する、というものです。
これはウケた!
エクセルの機能である「相関分析」を活用しながら、東京ディズニーリゾートがどのように収益を伸ばしているのかを分析していく。とてもシンプルでありながら、しっかりビジネスモデルの勉強もできる、ということで、参加者からの評価も上々。会計基礎編で失敗した直後で、すっかり失った自信を少し取り戻すことができました。
この続編によって、また客単価が向上しました。(2)実践編を受講してくれた方のおよそ60%が、この(3)実践編2を受講してくれたため、客単価は、平均で7400円となり、当初の3000円から2倍以上になりました。これによって、より広告の投資対効果が高まり、セミナー事業の成長が加速することができるようになりました。
ちなみに、この(3)実践編2ができたのは2014年4月のこと。初めてセミナーを始めた2013年10月からちょうど半年がたちました。この頃には毎週末セミナーを開催しており、月間のセミナー参加者数は200名を超えていました。だからといって疲れているわけでもなく、日々楽しくセミナーを開催していました。やはり自分で作った事業が成長していると、あまり疲れも感じず、失敗があっても前向きになれるものです。