活況ぶりが冷めやらぬマンション市場。とりわけタワーマンションの需要は旺盛で、東京建物が7月に売り出したJR目黒駅前の「ブリリアタワーズ目黒」は、平均坪単価600万円超にもかかわらず、第1期495戸が即日完売となった。
めったにない好立地である点を差し引いても、タワマン人気を見せつけた格好だ。だが、そんなタワマン人気に、冷や水を浴びせるような観測が流れている。
そもそもタワマン人気の理由は、眺望の良さや資産価値が下がりにくいことに加え、相続税の“節税効果”が高い点にある。
というのも、不動産の相続税評価額は、更地よりも建物、さらには賃貸物件にすれば大きく下がる仕組みになっており、例えば、首都圏のマンションを賃貸に出せば、相続税評価額は更地の約2割にまで下がることもある。
中でもタワマンは、1戸当たりの土地の持ち分が小さいため、評価額がさらに大きく下がるというわけだ。ましてや、今年1月から相続税の税率がアップしており、今や「タワマン節税」は購入者のみならず、不動産業者にとっても格好のターゲットになっている。
ところが、だ。税務の専門誌「旬刊 速報税理」7月11日号(ぎょうせい)が、タワマン節税について「評価方法がパブリック・コメントにかけられる模様」と報じたことから、「いよいよタワマン節税の規制が始まるのでは」との観測が、業界で広がっているのだ。