相続税を減らすには、不動産の評価を下げることが有効です。それは不動産を有効活用することにつながります。また、納税を減らすには、さまざまな特例を利用すべきです。ただ、相続は一度で終わることはありません。二次相続を踏まえたうえで、節税に取り組むようにしましょう。

選択肢を組み合わせて、最良の方法を導き出す

 相続税の申告をするときに、「評価を下げること」+「納税を減らすこと」の組み合わせで、納税額を大幅に減らせます。

「評価を下げること」の代表格は、「土地」です。しかし、土地の評価は複雑で、現地と役所調査により判断することになるため、専門家の経験知やノウハウが不可欠です。

「納税を減らすこと」の代表格は、「配偶者の税額軽減」ですが、効果が大きいからといって、限度いっぱいまで使うばかりが正解ともいえません。二次相続では、相続人が減るばかりか、配偶者が相続した財産と配偶者自身の財産が加わり、課税されます。すると、最初の納税がなくても、次の納税が大きくなるのです。

 つまり、相続人の構成、相続人の意思、財産の内容、評価方法、分割の仕方、納税方法など、いくつもの選択肢を組み合わせることで、成果を導き出すことができるのです。では、具体的に説明しましょう。

現状を確認して減額項目をチェックする

 不動産のうち「建物」の評価は、「固定資産評価証明書」となります。しかし、現況ではそれだけの価値がないと判断されることもあります。その場合は、建物の「不動産鑑定評価」を現実的な評価とすることもできます。鑑定は不動産鑑定士に依頼します。

「土地」も同様に、現地で確認すると、さまざまな現況がわかることでしょう。その現況の要因をプラス、マイナスして、より現実的な評価を出すようにします。

 一つの土地にいくつも減額要因があれば、全部考慮して、どんどん減額していくようにします。土地により状況はさまざまですが、主な減額項目は次のようなものです。