アマゾンのイスラエル進出

 イスラエルでは、年間800社~1000社ほどスタートアップが生まれることは、この連載の読者であれば、ご存知であろう。一方でそのスタートアップを支える、グローバル企業が200以上存在する。

 2015年は、そのグローバル企業の一員に新たにアマゾンが加わった。同社のイスラエル進出は、CTOのワーナー・ボーゲル(Werner Vogels)氏が、昨年に続き2年連続でDLDを訪れるほどの力の入れようである。同社は、DLDの会場でAWS向けの大きなイベントを連日開催していた。

 アマゾンは、イスラエルでの活動に関しては、他のグローバルなテクノロジー企業に大きく遅れを取っていた。しかし、2014年ごろからイスラエル現地で活動を開始、2015年1月に初のイスラエル企業買収として、イスラエルのクラウドのスタートアップAnnapurna labsを3.6億ドルで買収、誰もがわかる形で本気度を示した。アマゾンらしく、素早くグローバル企業の最前線に並んだ格好である。

 2015年上半期、アマゾン以外にも数社がイスラエルのスタートアップを買収することにより、イスラエル進出を果たしており、グローバル企業間でスタートアップ企業への戦略的な関わりと、優秀なエンジニアの確保をめぐって、熾烈な争いが繰り広げられている。

 こうしたグローバル企業は、DLDでもプレゼンスを上げるために多数登壇している。登壇した企業はAmazonをはじめ、 Google, Microsoft, Samsung, Softlayer, Orange, Deutche Telekom, Intel, GM, Hyundai, Bloomberg, AOL, Facebook, SingTel, Twitter, IBMである。これ以外にも、会場では多数のグローバル企業のネームプレートを見かけた。