500StartUpsもイスラエル進出
イスラエルでベンチャーキャピタル産業が生まれて、20年弱になる。ただ、2012年ごろからこの様相に変化が見え始め、各社が一斉に、スタートアップと戦略的に関わるアクセラレータを始めだした。
そもそもベンチャーキャピタルは金銭的なリターンを得るために投資する。一方で、事業会社が「コーポレート・ベンチャーキャピタル」、いわゆる企業の戦略に応じ「戦略的投資」を行っていく投資がある。いずれも、スタートアップへ投資をするが、「コーポレート・ベンチャーキャピタル」の場合、金銭的なリターンを得る目的とは別に、事業シナジーを得るということがある。
ただ、ベンチャーキャピタル投資は、成果が出るまでに非常に長い時間を要する。いわゆる足が長い産業であれば、事業シナジーを得るまでの時間が長くてもよいだろうが、競合が次々と現れる業界であれば、このコーポレート・ベンチャーキャピタルという仕組みは、時代に合わなくなり、「アクセラレータ」という別の仕組みが登場したのだろう。
2015年現在、すでにグローバル企業の主導のもと、イスラエルでは少なくとも150以上のアクセラータプログラムが稼働している。DLD開催期間中も、日本でも著名な500StartUpsのデーブ・マクルーアがイスラエルを訪問、イスラエルへの実質的な進出を発表した。
イスラエルでは、グローバルで活動する事業会社が戦略的にスタートアップと関わるために、この「アクセラレータ」が外せないものになってきていることは間違いないだろう。