対イスラエルビジネスに好機が到来中だ。今年7月に経済産業大臣がイスラエルを訪問、R&D分野の協力覚書を調印したのを受け、産業R&D協力に支援が受けられる仕組みができた。今年後半の注目スタートアップ、トヨタが開催したハッカソンとともにお伝えする。

2014年後半、最新注目スタートアップ企業は?

 スタートアップ大国イスラエルでは、例年、600~800社程度の企業が生まれるとされる。2014年11月時点で、すでに600社程度が生まれている。最近設立された企業で、筆者が個人的におすすめする4社を以下に紹介する。

 1社目は、商業用不動産ローンに特化したサービスを開発するクレディフィ(CrediFi)社である。ローン情報は日々更新されており、その情報の分析ツールを提供する(商業用不動産市場は、3兆ドルを超えるとされる大きな市場がある)。

 同社は、2012年にシティバンク(CitiBank)がイスラエル現地に設立したシティ・イノベーションラボ・テルアビブ(Citi Innovation Lab TLV )の支援を受けている。シティ・イノベーションラボ・テルアビブは2013年よりイスラエルのスタートアップを支援するべくアクセラレータプログラムをスタートさせ、すでにBitCoinなどのフィンテック関連のスタートアップ10社以上を支援しており、将来的にこういったサービスを提供していきたいのであろう。

 2社目は、レッドキックス(RedKix)社。今年設立されたスタートアップの中では、大型。初期メンバーが15人。共同創業者でCEOのオウディ・アンテビィ(Oudi Antebi)氏を筆頭に、共同創業者でCTOのロイ・アテンビィ(Roy Antebi)氏らが設立した企業で、すでに複数のイスラエルのエンジェル、エンジェルグループより800万ドル(約8~8.8億円)を調達している。

 日本でもホットなテーマで挙げておくと、IoT分野であれば、マイクロソフト・ベンチャーズも支援するプロドゥビア(Produvia)社。ウェアラブル関連では、姿勢を補正するアップライト(UpRight)社であろうか。これらの会社に共通するのは、軍隊の部隊で一緒ということももちろんであるが、以前勤めたハイテク企業の出身者同士で企業するケースである。

 先日、マイクロソフトに買収されたAorato社のように創業3年も待たずに100億円オーバーで買収されていく雰囲気を感じる。