皆さんは宅配便を送る場合、どういったサービスを利用しているだろうか。多くの方はヤマト運輸や、ゆうパックなどの大手を選んでいるに違いない。日本の宅配便は、これら既存の大手が非常に強く、小規模のベンチャー企業が参入するのは厳しい現状がある。
そんな中、今夏、新しいサービスが登場した。格安宅配のエコムー便である。80サイズ(3辺合計80cm未満、5kg未満)が680円、160サイズ(同160cm未満、30kg未満)が980円の設定になっている。
ゆうパックで同一県内に送る場合、160サイズは1780円なので、かなり安い料金設定だということがお分かりだろう。
利用は簡単だ。ネットに必要事項を入力し、集荷を依頼。そのままクレジットカードで決済をする(コンビニ決済も可能)。送り状を準備する必要はない。あとは集荷に来るのを待つだけだ。7月のサービス開始以来、注文数は急速に伸びており、知名度も上がってきている。
「去年の夏のお中元期に、ゆうパック配達のアルバイトをしたんです。その時に引越しの荷物をダンボール箱で送っている方がいて、賢い方法だなと感心しました。それが事業のヒントになったんです」と起業の経緯を話すのは、エコムー便を運営する合同会社トリップ・トラックスの田中秀二郎さん。
以前は飲食業界にいた田中さんは、アルバイトでの体験がきっかけとなり宅配業界の現状を勉強。個人が参入するには、まず大手と連携するのが一番と分かり、その方法を模索していた。しかし、大手に話を持ちかけても門前払いをくらったり、話が進んでも途中で頓挫をしたりと、連携するのは簡単ではなかった。