「当ってくだけろ!という思いで佐川急便に説明に行ったところ、広島支社の担当者が親身に対応してくれ、こちらが考えているサービスが可能だと回答してくださった。それで実現の可能性が見えてきたんです」

 現在、エコムー便は配送に関しては、佐川急便が行っている。荷物の集荷に訪れるのも佐川急便の配送員だ。

「エコムー便は日本最安値を目指していますが、ただ値段が安いだけでは、この商売は成り立たないと思います。大事な荷物を他人に託すのですから、何よりも信用が一番。うちは独自にコールセンターを設置しており、私もできるだけ電話を受けてお客様の声を聞くようにしています」

 また、本拠地を広島に置くことで事務所経費などを安く抑えられ、その分、配送料も他社よりも安くできるのだという。

「将来的には“単身者の引越しならエコムー便で”となってほしいんです。160サイズのダンボール箱でしたらテレビ、電子レンジ、布団、掃除機など、たいていの生活用品は入ります。10箱もあれば単身の引越しは大丈夫です。これを引越業者に依頼すると繁忙期には3万円は下らない。でも、エコムー便なら10箱でも1万円。残りの家電などは大型の宅配便を使えば、引越業者に依頼するよりかなり安くなります」

 引越しという分野を開拓していくことで、連携する佐川急便にもメリットをもたらすことができる。そういうビジョンを抱いている。

 唯一の難点は、配達可能地域が、まだ近隣県に限られている点だ。とはいえ、東京発なら北は宮城、山形から南は福井、三重まで20県。大阪発でも13県への配送が可能だ。年内に、さらに広範囲に荷物を届けられるように営業を進めている最中である。

 宅配業界に風穴をあけるかもしれない格安宅配便。使い方によっては心強い家計の味方になるかもしれない。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))