上司はたいした仕事がないのに、だらだらと会社に居座り、そのせいで部下も付き合わされ、サービス残業がどんどん増えるばかりで、いい加減うんざり!噂によると上司がなかなか帰りたがらない本当の理由は「奥さんと喧嘩しているから」らしい。

 同期入社の彼は、家に戻った途端に妻の取り調べ(携帯や財布、手帳や電子マネーなどすべて)を受ける日々を繰り返し、ついには心の病を患ってしまい、仕事がほとんど手につかず、最終的には降格の憂き目に遭ってしまった。

「俺は仕事を家庭に持ち込まない主義だから」

 そんなふうに澄まし顔で気取ったところで、先ほどの同僚、上司、同期の例のように結婚や家庭、そして子どもの存在は、どうしても仕事の出来不出来を左右してしまう、切っても切り離せない存在と言えるでしょう。それは結婚したせいで消えていった有名人だけでなく、あなたの隣にいる一般人だって同じです。

 例えば、家庭が上手くいけば仕事も上手くいく。家庭が上手くいかなければ仕事も上手くいかない……そんなふうにワークとライフのバランスが比例するような単純明快な男性を紹介してきましたが、本当にそれがすべてなのでしょうか?いやいや、むしろ逆のパターンもあり得るのです。

 家庭が上手くいかないからこそ、その反動で仕事を頑張ろうとする。仕事が上手くいかないからこそ、その反動で家庭を大事にしようとする……何とも複雑怪奇な行動パターンですが、こんなふうにワークとライフが「アンバランス」な男性が一定数、存在するのは確かで、大事なのは必ずしも仕事の満足と家庭の充実は比例するとは言い切れないということです。結婚は上手くいっても、いかなくても仕事のモチベーションになり得るのだから摩訶不思議ですね。

 さて今回は結婚、子の誕生、離婚、再婚というライフイベントが男(夫)の仕事に対してどのような影響を与えるのかを解き明かすべく、103人の男性に対してアンケート調査を行いました。結婚、子の誕生、離婚、再婚がそれぞれ自分の仕事において良い影響を与えたか、悪い影響を与えたか。二者択一で選んでもらい、そしてその理由も挙げてもらいました。回答者はすべて私のところに来た男性相談者です。

 個別の属性ですが、103人中55人は妻と離婚の協議をしている最中で、残りの48人はすでにすでに離婚が成立しています。そして103人中78人は夫婦間に子どもがいます。さらに103人中13人は結婚、離婚を経て、今では再婚している男性です。ではアンケートの結果を順番に見ていきましょう(回答者の名前はすべて仮名です)。

 まず1つ目は結婚(回答者103人)ですが、仕事のパフォーマンスにどのような影響を与えるのでしょうか?37人(36%)は良い影響、66人(64%)は悪い影響があったと回答しています。やはり注目すべきは全体の6割以上が結婚したせいで「仕事が上手くいかなくなった」と感じていることでしょう。これはどういうことでしょうか?具体的なエピソードを見ていきましょう。

家事や育児を優先すると仕事がおろそかに
頑張りをねぎらってくれない妻

 村山哲也さん(47歳、結婚12年目、岡山市)も家庭を持ったことで仕事がはかどらなくなったと答えたうちの1人です。「仕事用のメールアドレスへ妻からの不愉快なメールが多く入ってくるのですが、そのせいで職場でのパフォーマンスが下がったと感じています」。哲也さんいわく、家のこと、子どものこと、そして些細な愚痴まで、妻は哲也さんに対してメールで送ってくるようで、いちいち気を取られて、なかなか仕事に集中できなくなってしまったそう。それだけではありません。哲也さんは話を続けてくれました。