「過去の結婚や離婚で本当に多くのことを学びました。離婚なんてマイナスばかりで無駄なエネルギーを使うだけだと思っていましたが、そのときの経験が仕事に役立っています。離婚の経験から『トラブルの本質』を理解することができたので、仕事での危機察知能力が高まったと実感しています。また以前は悲観的なタイプでしたが、今はそんなに思い詰めることもなくなり、トラブルを解決するのも早くなりましたね。前と比べれば自分にも他人にも、ずいぶん寛容になったと思います。結局は『1人では何もできない』と悟ることができたのは大きかったですね」。孝義さんにとって結婚、離婚、そして再婚はプライスレスで、きっとお金には換算できないほど大事な経験だったのでしょう。

 結婚し、家庭を持ち、子どもを育てる。

 世の男子はそんなことすら「当たり前」にできなくなった昨今ですが、だからこそ勤務先、配偶者、両親、政府や自治体の協力が不可欠なのは言うまでもありません。しかし、周囲の人たちがどんなに助けてくれても、肝心の夫婦が不仲ではどうしようもないのは、今回の失敗例でお分かりの通りです。他にも妻の両親が近くに住んでいるのに子どもを預かってくれるよう頼みにくく妻の職場復帰が遅れてしまう、せっかく支給された子ども手当なのに自分の「おこづかい」だと勘違いし、パチンコで憂さ晴らしをしてしまうなど「夫婦の不仲」のせいで子育て支援はすべて台無し……無力化してしまうケースは後を絶ちません。

「ワークライフバランス憲章」で触れられない
夫婦や家族関係

 内閣府が公表している「ワークライフバランス憲章」を読んだことがありますか?ワークライフバランスがきちんと機能するためには、夫婦や家族関係が良好であることが必須ですが、そのことは全く触れられていません。こんなに大事なことなのに、なぜでしょうか?過去の少子化や男女共同参画の政府会議の参加メンバーには、複数回、離婚している人、メディアで不倫や別居の報道をされている人などが含まれているから?「他人の事を偉そうに言うけれど、自分のことはどうなの?」などと痛いところを突かれると言い返せないから?そんなふうに斜に構えた見方をされても仕方がないでしょう。いずれにしても本当の意味での「ワークライフバランス」を実現すべく、夫婦関係にも焦点を当ててほしいですね。「結婚して丸くなった」が、嫌味のない褒め言葉になるように。

<番外編>本文で紹介し切れなかったアンケートの内容(一部)

1.結婚 2.離婚 3.子の誕生 4.再婚

●「離婚で1000万円収入アップ」(54歳、結婚17年で離婚、熊本市)

 1.結婚は仕事に悪い影響を与えた(もし結婚していなければ、今よりも2000万円は多く稼ぐことができたはず)

「嫁のため、嫁の実家の手前、家を購入したのですが、時期尚早でした。これによって僕は趣味をあきらめたのに、家計のやりくりで文句を言われるようになりました。また嫁や嫁の実家から頼まれごとが多く、そのせいで会社での集中力、身の入れ方に大きくマイナスが出ました」

 2.離婚は仕事に良い影響を与えた(離婚したおかげで、今までより1000万円も多く稼ぐことができた)