ただ、「原則問題」については厳しい態度を崩さないが、日本に対して興味をもっており、「日本製品は質がいいから好きだ」「日本文化に興味がある」という人は多い。現在の中国人は、一部の過激な者を除いて、「日本は確かに戦争問題などで悪い面もあるが、優れた製品を創り出しており、学ぶべき点も多い」と考える。つまり、「これはこれ、それはそれ」という考え方である。

 また、中国人は自分の生活が一番の関心事で、「歴史問題などは政府が考えることだから、私には関係ない」と考える。特に若い世代は、歴史は学ぶがそれは遠い昔のこととしてとらえ、「日本=軍国主義」という先入観を脱して日本を見ている。中国人の日本での「爆買い」には、こういう中国人の割り切った考え方も背景もあると考える。

 十数年前に比べると、現在は日本人向けでない普通のスーパーでも日本製の食品や日用品などを見かけることがある。これは、中国の一般大衆が日本に関心を持っている証拠ともいえる。

 かつてのように物の供給が国家の統制を受けない今の時代は、物を売る側にとって市場ニーズは非常に重要である。売れない商品はすぐに淘汰されてしまう。そのなかで日本製品が店に並んでいるということは、中国の人々に日本製品が受け入れられている証拠でもある。先ほども述べたように、愛国と一般の消費行為はまったくの別物なのである。

 中国人旅行者の「爆買い」は日本人の目から見れば確かに傲慢に映るかもしれない。10月3日付の『人民日報』掲載の記事が伝えているように、「外国製品を買うのは貧しいときの習慣」であり、かつて日本人も海外旅行で大量に買い物した時代があったように、現在の中国はまさに日本が歩んだ道を歩んでいるといえよう。

 さらにいえば、「爆買い」は中国人の日本製品への信頼度の高さだけでなく、日本への関心の高さをも示している。中国人が日本に対して厳しい見方をする、または日本製品に興味をもち、日本で商品を買い漁ることは、中国人が日本に関心をもっているから成り立つことであり、日本にまったく関心を示していなければ、このようなことは起こりえない。

 中国人が日本で「爆買い」をするのは、両国関係にとって喜ぶべき現象であると筆者は考える。