経営に苦しむ企業に元気と利益をもたらす“儲けのエキスパート”がいます。
日本経営教育研究所の代表で、新著『絶対儲かる「値上げ」の仕組み、教えます』で披露した驚きの経営手法が話題となっている石原明さん。
一方、わかりやすいストーリー仕立ての『400円のマグカップで4000万円のモノを売る方法 儲けの仕組みが簡単にわかる!』が初の著作であり、経営者に向けたビジネスモデル塾が好評のCARITY代表の高井洋子さん。
昔から知り合いだったというお二人が奇しくも同じ時期に書籍を発売、お互いすぐに重版が決まるなど快調に売れているベストセラー著者として、今回、本の制作の裏話などを語ってもらいました。(取材・文・構成/佐藤祥子、撮影/宇佐見利明)

儲けの仕組みをシンプルに分かりやすく、
もっと大勢の人に伝えたい

石原 高井さんとは以前から仲良くさせていただいていますが、奇遇にも同じような時期に、同じように“儲ける”ことをテーマにした本を出しまして、しかも出版社まで同じダイヤモンド社でしたので大変ビックリしました(笑)。

 お会いするのは6年ぶりぐらいですね。現在、高井さんは経営コンサルタント業務を行うCARITY(キャリティ)の社長を務めていらっしゃいます。この会社はいつ創業されたのですか?

高井 CARITYは創業4年になります。会長は脳科学のパイオニアである西田文郎先生が務めてくださって。

石原 プロのアスリートや経営者たちの精神的な支えとして多大な支持を得ていらっしゃる方ですね。僕も尊敬しています。

高井 元プロ野球の桑田真澄選手を長年指導されていましたし、北京オリンピックで女子ソフトボールチームを金メダルに導いたこともよく知られています。メンタルトレーナーといっても西田先生の場合は脳科学に基づいているのが特徴で、プロのアスリートに加えて経営者も多数成功させており、『ツキの最強法則』(ダイヤモンド社)など著書もたくさん出されています。その西田先生を会長に、私が代表を務めさせていただいています。

高井洋子(たかい・ようこ)
株式会社CARITY代表取締役社長。横浜出身。経営者として任された家具の販売会社を3年で事業拡大、オリジナル家具販売のフランチャイズ化、さらにオリジナル住宅販売、リフォーム事業などを手掛け、立上げから3年でグループ年商70億円を達成。その後、経営コンサルタントに転身、2012年に優秀なブレーンとともに会社を設立、代表取締役社長に就任し、現任。 現会社の経営の中心である中小企業の経営者を対象にした「ビジネスモデル塾」は高額にもかかわらず人気で、3年ですでに34期を開催、全国500社を超える多くの中小企業経営者が通う行列のできる講座となっている。現場感覚を持ち込んだビジネスモデル構築や戦略、戦術策定の指導、アドバイスを行い、V字回復した会社も数多く、中小企業の現状打破、業績向上に貢献。世の中のビジネスモデルを分析し、どのように儲けているかを検証するのが趣味で、この本の主人公と同様、「儲けるなんて、簡単よ」が口ぐせ。

石原 高井さんが初めて本を出されたということで、読んでみるとビジネス小説だったのでビックリしました。この手があったのか! と膝を打ちました(笑)。高井さんの口ぐせである「儲けるなんて、簡単よ!」という言葉、本の主人公の女性経営コンサルタントの決め台詞でもありますが、全国に広まっているんじゃないですか?

高井 ありがとうございます。小説タッチにしたのは、小さい頃から本が大好きだったということもあります。本を読み始めると、続きが読みたくて学校を休んでしまうくらいで、いつか小説を書きたいという思いも抱いていまして。あとは両親が飲食業を営んでいるので、商売がずっと生活の中にあり、私の小説好きと商売がドッキングした形の本ができました。

石井 出版のきっかけは、やはり経営コンサルタントとしてアドバイスしてきたことを、もっとたくさんの人たちに伝えたいと思われたからですか?

高井 そうですね。もともと私自身も経営者でしたので、その経験を活かしながらCARITYを通じてたくさんの業種・業態をサポートしてきました。具体的には「ビジネスモデル塾」という塾を運営しており、そこに入会されてくる方たちを「塾生さん」と呼ばせていただいていますが、そこで経営に関するアドバイスをするだけで、みなさんすぐに利益が増加するんです(笑)それは、儲かる仕組みを構築しているかを確認するとか、固定費や変動費などの経営の数字を見直すとか、そんなことなんですが。

 そういった体験もあって、できるだけ多くの人に、儲かるビジネスモデルの作り方や、経営について考えてもらいたい、と思っていたこともあり、小説タッチのビジネス書という体裁をとりました。