私は、「部下に直接聞けばいいのに」と少し思いながらも、「部下を思いやるあまり、直接聞けないこともたくさんあるのね」と察し、上司と部下の双方がこれまで以上に良い関係を築くことができるのであれば、状況に応じて、その役割を担うこともありましたし、お断りすることもありました。

 部下から「信頼」されているかどうかは、上司の大きな関心事の1つといっても言いでしょう。

「そんなことない」とおっしゃる人ほど、部下の一挙手一投足を気にかけているように思います。

 私は日々、講演や企業研修のなかで、仕事をするうえで何よりも大切なことは、「信頼」であり、「信頼サイクル」について伝えています。

 信頼関係のあるチームメンバーが共に仕事をした場合、予期せぬほどの素晴らしい成果が生まれます。なぜなら、チーム、つまり、組織のダイナミズムが働くからです。

 それはまるで、真っ黒だったオセロの台が、少しずつ白へと変わっていき、最後にオセロの台が白一色になるような感じです。

 その時の感動は、今でも忘れられません。業績もグンとあがり、喜びや満足感もあり、躍動感にあふれ、またみんなで仕事をしたいと思う好循環が生まれます。

「部下から信頼されたい」なら
何より「自分を信頼する」べき

 優秀な上司の方は、部下との「信頼関係」が大切であることを知っています。

 ところが、残念なことに、上司が「信頼される上司になろう」と覚悟を決めたからといって、必ずしも、部下がついてきてくれるわけでもありません。

 職場で、どんなに上司が頑張っていても、部下がついてきていない様子を見たことはありませんか?

 上司が前を向き、部下が後ろを向く。
 上司が前に進み、部下が後ろへと退く。

 部下からの信頼を得なければ、良い業績を残せないとわかっているからこそ、部下からの信頼集めに必死になるけれども、うまくいかない。

 こんなジレンマに陥っていませんか?

 ここで、「信頼」を得て仕事を優位に進める優秀なリーダーの例をご紹介しましょう。