部下を持ったらいつかは訪れる場面、それが「部下を叱る」ことではないでしょうか。「ゆとり世代」「さとり世代」「デジタルネイティブ」などと呼ばれる現代の若者たちをどう叱ったらいいかわからない、そんな声がよく聞かれます。
「アクティブ リスニング」の視点から、部下にとって後の成長に繋がる叱り方について考えてみます。

「部下を叱る」ことの難しさ

かつて、長引く不景気で給料やポジションなど待遇面の改善が難しい中、新しい報酬として「誉める」ことが注目されました。

部下の良い点を指摘したり評価することでモチベーションアップを図り、さらに成長を促そうとするものです。

しかし、「誉める」だけでは馴れ合いになったり、部下のほうでも自分を成長させるためむしろ厳しい指導を求める声もあり、最近はまた「叱る」育て方が見直されています。

しかし、「叱る」というのはそんなに簡単なことではありません。

感情のまま叱って、自分の気持ちはすっきりしたけれど、相手には全くこちらの思いが届いていなかったり、成果が表れないどころか、根に持たれたり、やる気を失ったり、逆効果になることも少なくありません。

どのように叱れば、相手も失敗を反省し、それをやる気に変え、成長に繋げてもらえるようになるのでしょうか。
最近は、「叱る」ということを難しくとらえる上司の方が増えているようです。

「アクティブ リスニング」流の叱り方

私が10年以上にわたるキャスターとしての仕事を通して作り上げたコミュニケーション・メソッド「アクティブ リスニング」。

これは、相手に気持ちよく話してもらいながら、こちらの考えもさりげなく伝え、信頼関係をつくりながら、自分の目標を実現するやり方です。

アクティブ リスニングには、
準備→本番(「傾聴」と「問答」)→フォロー
という3ステップ、48のスキルがあります。

このスキルに沿って、効果的に叱るコツ、部下がやる気を出し、成果を上げやすくするTipsを見ていきましょう。