通信で身の回りの課題を
解決するベンチャーが多い
インテルの投資部門、インテル・キャピタルが2015年に新たに投資を行った10社のスタートアップを発表した。同部門が毎年恒例で開催するグローバル・サミットの会場で明らかにされたもの。10社への投資総額は2200万ドル以上という。
10社は、「通信関連」「身の回りのテクノロジー」「古い問題を新しい方法で解決する」という3つのカテゴリーに分けられる。その中から一般消費者にも関連するいくつかの技術を紹介しよう。
最初に紹介するのは「フリーダムポップ」(FreedomPop)という会社。ここは、無料の音声とデータの携帯通信サービスを提供する。Wi-Fiのホットスポットが利用できる場所ではそれを優先し、携帯通信とシームレスに切り替える。収入は、海外へかける際にも国内番号が使えるバーチャル番号提供などの追加サービスで得るという。
また「ワット3ワード」(what3word)は、地図上のGPSロケーションを3つの単語で置換するアルゴリズムを開発した。世界を3メートル四方に分割し、それぞれがたとえば「テーブル、ランプ、スプーン」など、3つの単語から成る「住所」で表現できるようにする。
これが役に立つのは、従来の住所システムでは表せなかった場所をピンポイントできるようになるケースだ。例を挙げれば、ストリート番号がない地域、そもそも道がなくて住所もないような場所、住所があっても混み合ってわかりにくいような場所だ。加えて、スポーツスタジアムのどの出口とか、駅のどの入口といったポイントも指定できる。今は住所の対象にすらなっていない海の上も、3つの単語があれば特定できる。
GPSはロケーションを正確に表現できるが、長々と数字が並んでいるだけだ。人にとっては覚えにくい上、入力しようとすれば間違う可能性も高い。その点、3つの単語ならば誰でも覚えられる。
ワット3ワードは、このAPIを企業などに提供して収入を得る。デリバリー、ナビゲーション、ツーリズムなど幅広いビジネスに役立つはずという。
「ボディラボ」(Body Labs)は、身体をスキャンした3Dデータをプラットフォームにしたビジネスを展望している。たとえば、洋品店にある3Dカメラで全身を撮影してもらい、その3D身体データにぴったりと合う洋服を買ったり、作ってもらったりすることができるようになる。
データは同社のサーバに収められて、別の用途に利用することも可能だ。たとえば、スポーツクラブでどの筋肉を鍛えればいいかとか、エキササイズの効果を計測したりするのに使ったりもできるだろう。あるいは、動きやポーズをつければ、エンターテインメントにも使うことができる。