舞台裏では露骨に中国優先だった韓国
だが経済失速で産業界からは疑問の声

 今回の首脳会談の裏舞台で、議長国を務める韓国が露骨に中国寄りのスタンスを取ったことはあまり報道されていない。

 今年9月、韓国政府が提示した会議日程では、10月31日午後と11月1日午後にそれぞれ二国間協議が行われる予定だったようだ。ところが、同国政府が中国側の日程要請を認めたため、10月31日はすべて李克強首相の公式訪問による中韓協議に充てられ、その後、中韓首脳による晩餐会を行うことになった。

 その結果、わが国政府が要請した2日の日韓首脳の昼食会の機会はキャンセルになった。背景には、韓国政府が懸案としている慰安婦問題で、日韓政府の具体的な歩み寄りが見られないと、国内向けにアピールができないことがあると見られる。

 輸出が生命線である韓国経済にとって、中国が最も重要な輸出先であることは間違いない。足元で景気減速が続き、韓国の産業界の一部から朴槿恵(パク・クネ)政権の経済運営に疑問の声が上がり始めている。

 そうした状況を考えると、朴政権が経済面では中国重視、安全保障面では米国重視という都合の良いダブルスタンダードを取るのはわからないでもない。また、慰安婦問題などで日本に対する強硬姿勢を見せつけることは、政権に対する支持率を保つ有効な手段なのだろう。

 しかし、ダブルスタンダードを取り続ける韓国に対しては、米国が徐々に厳しい見方をし始めている。それは、南シナ海の人工島の問題が顕在化した場合、韓国に対して“航行の自由”に賛成するよう要請が出されたことでも明らかだ。

 また韓国経済は、中国経済の減速の影響を受けて成長率の鈍化に直面しており、同国の一部産業界からは、「破棄した日本とのスワップ協定を再開すべき」との意見も出ている。