中韓が“日本叩き”を行う背景
成長鈍化で政権の求心力維持に苦慮

 足元で中国経済の減速は一段と鮮明化しており、習近平主席も6%台の経済成長を唱え始めている。その背景には、リーマンショック後、4兆元の大規模な景気対策を打った後遺症=過剰設備・過剰債務の教訓がある。

 また、かつて2ケタ成長を遂げてきた中国経済の高成長期が終わり、徐々に安定成長期にランディングする姿を現している。つまり、潜在成長率=経済の実力が着実に低下しているのである。

 問題は、経済成長が低下する中で、いかにして国民の支持を維持することができるかだ。13億人の人口を持ち、しかも国内に多数の民族を抱える中国の共産党政権は、本当に一党独裁体制を保つことが可能だろうか。

 中国の経済専門家である友人にヒアリングしてみた。彼は、自分の友人の金持ちが国外に出た話を淡々としてくれた。最後に、「中国人の中には、自国を信用しない人もいる」と言っていたことがとても印象的だった。

 経済成長が鈍化している中国にとって、国民の支持を保つためには、領土を拡張し近隣国に強硬姿勢を示すことは重要なアピールになる。特に、かつて戦火を交えた日本を標的にして叩くのは、共産党政権に対する求心力をもたらすことだろう。

 一方、韓国も同様の国内事情を持つ。韓国経済は一時期の高成長期を過ぎ、近年、成長率の鈍化が鮮明化している。また、少子高齢化が加速して人口構成が崩れる中、サムスンを中心とする財閥がGDPの多くの部分を占めている。

 その中で、朴政権が求心力を維持するために、わが国を厳しく攻撃することは大きな効果を上げるだろう。慰安婦問題という国際社会でも受け入れられやすい材料を持ち出して、国際世論を味方につけることができるとなおさらだ。