四万十川のツガニは
安く手に入る天然の上海蟹!

 もう一つの話題も食材である。ツガニだ。

 四万十川に上海蟹がいるという私の発言にメンバーの皆さんはまた興奮してくれた。養殖ものばかりの上海蟹とは違って四万十川の汽水に生きるツガニは天然ものだ。ツガニは秋になると繁殖のために海の方に向かい、汽水域で交尾をする習性をもつ。その時期がツガニの旬となる。繁殖前のツガニが一番美味しいとされる。

ツガニは、上海蟹と同族種で見た目も変わらない

 そのツガニは、上海蟹よりかなり安く入手できる。その情報を知ったメンバーの全員が大興奮した。「ツガニを買えるところに立ち寄りたい」という強い希望が出てきた。

 翌日、仁淀川の上流にある中津渓谷を訪れたあと、日程に入っていないあおぎというレストランに立ち寄った。以前の高知県訪問で、仁淀川の畔にあるこのレストランでは、ツガニも販売していることを知っていたからだ。

 私の顔を覚えてくれていた女将さんが私たち一行を温かく迎えてくれた。そして私たちの要望を理解した女将さんは快くツガニをいっぱい詰め込んだ籠を持ってきて、蓋を開けてくれた。蓋が空けられると、周辺から嘆声が上がった。みんなが我先にと、元気の良さそうな蟹を選んだ。

 その蟹の話はのちにfacebookやWeChatなどのSNSを賑わす材料となった。

 蟹の威力に驚いた高知県の関係者の皆さんは、来年からもっと力を入れてツガニをアピールする、と言い出した。

 食材もインバウンド観光にとっては有力なツールだ。とにかく、四万十川での初日の夜はヤマモモとツガニこと上海蟹の話がメインの話題となった。「目から鱗。インバウンドの宣伝はこういう形でもやれるんだ」と、高知県の関係者は喜んだ。

 さて、来年の高知県の対中国PRには、ヤマモモと上海蟹が有力なツールとして加わるのではないか、と思う。