コメ作りもPRも戦略的に
全国区目指すホクレンの野望

 全国区のブランド米を作った成功事例として知られるのが、北海道のブランド米戦略だ。かつて、北海道のコメは「やっかいどう米」などと言われ、「安いだけが取り柄の美味しくないコメ」の代表格だったが、今や「ゆめぴりか」「ななつぼし」「ふっくりんこ」など、全国でも名の知られたブランド米を多数生産する地域に変身した。

 北海道米を成功に導いたポイントの1つは、大胆なテレビCM戦略だ。せっかくうまいコメができても、知名度が低ければ、値段も安いままだし、数もさばけない。たとえば「ななつぼし」は販売後、10年経っても首都圏での認知度は4割程度でしかなかった。

非コメどころの猛追で王者・新潟も逆襲へ<br />ブランド米戦国時代を制するのは?大ブレイクをしたマツコ・デラックスさんを起用したホクレンのCM。北海道のブランド米を一気に全国区に押し上げる威力を発揮した

 やはりブレイクを果たした山形県のブランド米「つや姫」は、関東限定で阿川佐和子さんを起用したCMを流していた。「ゆめぴりか」は道外で本格的に売り出したい。そう考えたホクレンは、タレントを起用して関東や関西、中京地区など、大々的にCMを打つことに決めた。

 特に大ブレイクしたタレント、マツコ・デラックスさんの起用が当たり、CM前は東京で2割だった「ゆめぴりか」の知名度は、今では9割になった。同じく「ななつぼし」も8割に向上している。

 もう一つ、ブランド米として生き残れるかどうかを左右するカギは、高品質の維持にある。「独自の基準を満たした、いいコメしか『ゆめぴりか』を名乗れません。合格率は毎年75〜80%です」。ホクレン米穀事業本部米穀部主食課の南章也課長は、こう話す。基準外のコメはブランド名を名乗れず、業務用などに流通していく。

 こうした業務用向けは売値は安いうえに、「ゆめぴりか」は収量が少なめ。「名乗れない『ゆめぴりか』種を作るくらいなら、最初から価格の安いコメを作った方が儲かります」(同)。

「青天の霹靂」もやはり、独自基準を設けて収穫したコメを選別するほか、青森県が生産者指導プロジェクトチームも結成。水田の土壌分析をして、問題があれば土壌改良をしてもらうなどの対策を講じている。このほか、山形県の「つや姫」も、こうした基準を設けているブランド米だ。