20代後半から30歳前後までは、会社員人生の大きな「曲がり角」にいると言える。

 転職をする人、結婚して早々と「パパ」「ママ」になる人、後輩の前でやたらと先輩ヅラする人、上司に媚びる人など……。

 そこには、夢と現実とのギャップに悩む、若い世代の人生模様がある。

 連載16回目は、中堅企業に入社した同期の営業マンたちが支え合い、慰め合い、そして最後は裏切り合いながら、成長していく姿を紹介する。あなたも、この社員たちと似たような経験がないだろうか。

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■今回の主人公――はい上がろうとして人生が分かれた「負け組社員」

 入社3年目の営業マンたち(仮名/26歳~27歳)

 名古屋支社の吉本、熊本支社の木暮、仙台支社の成瀬、京都支社の菅原、岐阜支社の山本、札幌支社の乾といった社員たち。いずれも3年前に大学を卒業し、中堅の情報通信サービス会社(社員数900人)の営業部員として採用された。昨年から地方支社に赴任して仕事をしているものの、上司らとは上手くいっていない。

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(※プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)

「上司をへこませてやった!」
ホラ吹きまくりの“命のホットライン”

 午後11時30分、名古屋支社の吉本がニュース番組を観ていると、携帯電話が鳴った。京都支社の菅原だ。

「こんばんわあ!(笑) 今日もあいつと言い争いをして、へこませてやったよ」

 “あいつ”とは、上司である営業課長を指すようだ。菅原は、吉本が3年前に新卒として入社した際の同期生である。