ユニクロの上海グローバル旗艦店が5月15日に開店しました。世界最大の旗艦店の前には長蛇の列。入店までに最大2時間かかる状態でした。
ロンドン、ニューヨーク、パリに次ぐ、世界で4番目の旗艦店オープンですが、初日はこれまで最大の集客だったようです(現地の様子を詳細にレポートしています)。
同店を中核の1つにして、「世界1位になる」と宣言する柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長の「野望」と「死角」を第1特集で追っています。
今日のSPA(製造小売り)で、世界1位はスウェーデンのH&M、2位はスペインのインディテックス(ZARAの運営企業)で、両社との売上高の差は約2倍。ユニクロは、10年以内に抜き去る計画です。
そのために掲げた10年後の売上高目標は5兆円。今日の売上高の6倍以上です。
読みどころの1つは、この野心的な成長とその根拠を語る柳井会長のインタビューです。
「ソニーやホンダのように、ベンチャーからスタートしてグローバル企業になる。小売業としては日本で初めてだと思うが、そういう企業になりたい」
「日本だけが縮こまっていて内向きになっている。本当は企業も、個人も、もっと世界に出ていかないといけない」
「成長しようと思ったら、いっちょやってやろうかっていうベンチャー精神みたいなものがないといけない」……。
実績に裏付けられた話だけに、「なるほど」と思ってしまうのです。一方で、センシティブな事柄についても、率直に答えて頂きました。
「僕はこれまで2回失敗しました。玉塚君みたいな若い経営者志望の人を育成しようと思ったけど、出て行った」
「サービス残業をしている者が1人でもいたら、その店の店長は即降格です。降格された店長は何人もいます。(残業しないためには)走って仕事をしないといけない」
「(M&Aは)現在は3つくらい候補があってチャンスがあればやりたい。(中略)向こうは我々の意向を知っていると思います」などなどです。
野望実現に向けた、柳井会長の自信を裏付ける中国事業やグローバル事業、高級衣料品事業、そしてヒットを量産する商品開発・生産体制について、特集では分析しています。
そして、その壮大な野望の“死角”については……是非、本誌をご購読ください。
第2特集は、「株投資、再始動!」。投資家にとっては、手堅い銘柄の下値をしたたかに拾い、投資を再始動するチャンス、です。
投資再開を判断するポイントを、1つ1つチェックして、分析しています。プロ、アマ問わず、投資家の方には、とても参考になる特集です。
(『週刊ダイヤモンド』副編集長 大坪 亮)