稼働率上昇で値段が上がっても
満足度が下がらないのはなぜ?

 前年調査との比較で特徴なのは、稼働率の上昇に伴い、宿泊価格が上昇したことです。

 平均価格を比べてみると、高価格帯ホテルでは前年比1500~2500円程度、低価格帯ホテルでも500~750円程度の値上げが確認されました。

 しかし、満足度の総合スコアは前年とほとんど変わっていません。

 これは、じつに不思議な現象といえます。

 というのも、値上げは通常、満足度低下の要因となるからです。

 では、値上げというネガティブ要因がありながらも、なぜ総合満足度が下がらなかったのでしょうか。

 理由の1つと考えられるのが、利用者がホテル到着時に「温かく出迎えられた」と感じているということです。調査でも「温かい出迎えがあった」と回答した利用者が前年から大きく上昇しました。

 ホテルの利用者が増えると、ロビーなどがにぎわいます。利用者としては、閑散としたホテルよりも、人が行き来するホテルのほうが温かみを感じやすいでしょう。大型バスで到着する人を誘導したり、外国人に観光案内するスタッフの姿も、利用者によい印象を与えます。

 さらに、最近は観光客の利便性向上(と、ホテルのサービス効率化)を図るため、周辺の観光スポット案内や、地域店舗で使える割引券付きのパンフレットなどをロビーに置くケースが増えました。このような取り組みも、利用者に「温かみある出迎え」という印象を与え、値上げのネガティブなインパクトを打ち消していると分析できるのです。