「脳科学おばあちゃん」が教えた
高所からの跳びおりの作法
私は年長の子に「あんたたちの跳び方は、あまりよくないよ」と言って、まず、つま先立ちでかかとを上下させて、バウンドの仕方を練習させたあとに、「足裏の前のほうからおりてごらん」と、手本に1段目から私が跳んでみせました。
「ほら、音を聞いてごらん。おばちゃんのは音があまりしないでしょう。あんたたちのはまだ音がするよ」と言い、「うまく跳べたら1段ずつ上がってごらん」と言って帰宅しました。
4歳児には、わざとなにも教えませんでした。
後日、4歳の男の子のひとりが、「おばちゃん、4段目から跳べるよ」と言ったのです。「おばちゃんの言ったように跳べるかな?」とすぐ見せてもらいました。
すると、しっかりつま先で立ち、前のめりに着地してふんばったフォームは、後ろへひっくり返って頭を打つ危険のない立派なものでした。
「4段目より上から跳ぶのは、大人が見ているところでないとダメよ」と言う私の言葉に、とても素直にうなずいてくれました。
さぞや大変な努力をしていたのでしょう。
高いところから跳びおりる勇気はとても大切なものですが、「ドシン」の着地は気分のよいものではありません。
「恐れ」と「気分の悪さ」が相乗して、より高いところへ挑戦したがらなくなります。
新しいものへ冒険をするチャレンジ精神をつみ取りたくないものです。