新年を迎えて「今年こそは人生を変えたい」「夢を実現したい」と思う人は多い。しかし、一体どれだけの人がその実現に向け努力しているだろうか。現役の経営者で陽明学者の加地太祐氏は、「成功するためには、何より実践が大事」と説く。本連載では、そんな加地氏の初の著書『成功する人の考え方』(ダイヤモンド社より1月16日に発売予定)の内容をベースに、これまでの人生を変えて、成功をたぐり寄せるためのポイントをお伝えしていく。成功する人は、多くの知識を持っているが、彼らは決して机の上だけで勉強しているのではない。日々の生活を学びの場としているのだ。
学びは机の上だけではない
成功する人は、多くの知識を持っている。
しかし、彼らの知識は机の上だけで勉強したものではない。
彼らは、必ず日々の生活を常に学びの場として意識している。
僕らは、年齢を重ねる度に後輩や部下などの存在ができるだろう。
そして様々な事を教えなければならない立場になるが、教えるという事は場合によってはキミの成長を止めることがある。
僕の友人に小学校の教師がいる。
彼はいつも生徒に教えることのネタ探しばかりしている。
どんなふうに教えれば、子どもたちの理解が深まるのか。
彼が持つ子どもへの情熱は、本当に素晴らしい。
ただ、彼には気になる部分がある。それはお行儀が悪い点だ。
彼はふたりで会食に出かけると、必ず食べきれないほどの料理を頼む。
そして料理がテーブルに並べられると、「いただきます」と手も合わさずに手当たり次第に箸をつつくが、全てを食べずにまた新しい皿に手を伸ばす。
最終的に食べきれる事はなく、お茶碗には、必ずご飯を残して食事を終了する。
優秀な師は常に学び、成長している
あるとき、僕は彼に聞いた。
「今の小学生は、お茶碗のごはんを残してもいいの?」
彼は、悪びれることもなく「みんな残さず食べるよ」と答えた。
教師は教える仕事だから、子どもたちから学ぶことはないのか?
お行儀の部分では、明らかにこの教師よりも子どもたちの方が上である。
しかし、彼は教えることばかりに目を向け、子どもから学ぶことはない。
優秀な師とは必ず常に学び、成長している存在だ。
それは相手が子どもであっても関係ない。
仮にこどもが真剣な表情で「いただきます」と手を合わせていれば、その姿を見て自分の行動を見つめ直し、改めて食べ物に対する感謝の心を学ぶはずだ。
それは自分にとって都合の悪い人間であっても同様だ。
自分が個人的に嫌いな人間を認めることが出来る人は少ない。
しかし、他人は自分にとって師と成り得るという事を成功する人は忘れてはいけない。
学び手が本物なら、師はどこからでもやってくる
学びの本質は、学問の種類や教師の質ではなくキミの学ぶ状態だ。
どんなに優れた学問や教師を目の前にしても、キミが授業中に寝たり、休んでしまっては優れた学問は手に入らない。
しかし、どのような種類の学問でも、キミが何かを学ぼうと思えば、必ず得るものがあるだろう。
つまり、学びとは相手の質ではなく自分の状態を言うのだ。
キミが成功する人を目指すなら、常に自分以外の人間を師と思わなければならない。
相手が例え子どもであっても、後輩であっても、キミが本物であれば必ず学びは訪れる。
だから、僕は常にこの言葉を意識する。
「学び手が本物であれば、師はどこからでもやってくる」
1976年大阪生まれ。株式会社aim代表取締役。
阪南大学高等学校中退後、溶接工に。その後、サラリーマンになり英会話スクールに通うが、1年後の2004年に通っていた英会話スクールが倒産。当時の従業員に「給料を数ヵ月もらわぬままオーナーが失踪したので助けてください!」と生徒なのに相談される。月商18万円で家賃支払いが23万円と大赤字なのにもかかわらず、「可哀想だから」と400万円を借金して援助し、サラリーマンを続けながら思いがけずオーナー経営者になる。
しかし、3ヵ月で資金がなくなり、助けてと言った従業員も退職。その後、英会話スクールの経営を実弟にまかせるが、1年後に病死する。この人生のどん底のときに安定したサラリーマンを辞め、給料の出ない英会話スクール経営1本に絞る。その後、NOVAが倒産し英会話教師だった外国人失業者があふれた。彼らを黙って見過ごせないと、生徒が増えたわけでもないのに日払いで外国人を雇う。この行動が新聞に紹介され、それがもとで生徒数が飛躍的に増え、以後、順調に業績を伸ばす。
2015年2月6日、交通事故に合い5日間意識不明に。6日目に目覚めたとき、「このまま死んだら僕はこの世界に何も残していないことになる」と愕然とする。
それがきっかけで、スタッフや愛する娘たちに残せるのは「言葉しかないのだ」と悟り「成功する人の考え方」の連載をスタート。純粋に言葉の力を試すために名前をふせたままスタートするも幸運にも支持を得て開始8ヵ月で3万いいね!を突破。月間リーチ数250万人の人気ウェブサイトに成長する。年間1000人以上の経営者と対話し、会社経営を行う傍ら、1人でも多くの成功者を世に出したいと、日夜、記事の執筆に精力を注いでいる。山田方谷を学ぶ実践塾「方谷 塾」塾頭、陽明学者。
所属団体
・盛和塾<大阪> 世話人。稲盛和夫の経営者塾世話人
・EO Osaka<Entrepreneur Organization> 理事。アメリカに母体を持つ経営者団体。年商100万ドル以上の経営者が集まる団体
成功する人の考え方HP http://ekusia.com/
フェイスブックページ https://www.facebook.com/seikousuru/
※次回は、1月13日(水)に掲載します。