リオ五輪が近づいてきたこともあって、活躍が期待できる競技や選手をメディアが取り上げる機会が多くなってきた。

 そのひとつにバドミントンがある。ひと頃は“オグシオ”こと小椋久美子・潮田玲子のダブルスペアがルックスの良さで注目を集めたが、現在は国際大会でしっかりと結果を出す選手が次々と現れるようになった。

 2008年の北京五輪では“スエマエ”こと末綱聡子・前田美順ペアがベスト4、前回のロンドン五輪では“フジカキ”こと藤井瑞希・垣岩令佳ペアが銀メダルを獲得した。

 一昨年の5月に行われた国別対抗戦では男子(トマス杯)が優勝、女子(ユーバー杯)が準優勝。そして昨年は暮れに行われた年間王者を決めるBWFワールドスーパーシリーズ・ファイナルズの男子シングルスで桃田賢斗、女子シングルスで奥原希望がともに優勝、女子ダブルスの高橋礼華・松友美佐紀組がベスト4に入った(2014年は同組が優勝)。

 世界バドミントン連盟(BWF)が発表する世界ランキングでも現在、男子シングルスの桃田が3位、女子シングルスの奥原が7位、山口茜が10位、男子ダブルスの遠藤大由・早川賢一組が6位、女子ダブルスの高橋・松友組が4位、福万尚子・與猶くるみ組が8位と、世界のトップ10に多くの日本選手が食い込んでいる。バドミントン界の地道な強化が実り、日本のトップが世界の上位とも対等に戦えるまでレベルアップしたのだ。

多くトップ選手が昨年創部した
再春館製薬バドミントン部に所属の意外

 彼らトップ選手は国際大会を転戦する生活を送っているが、通常の練習は所属する日本リーグのチームで行っている。その中に、ちょっと意外な企業がある。再春館製薬所だ。テレビやラジオで印象的なコマーシャルを行なっているから、ご存じの方も多いだろう。「ドモホルンリンクル」という化粧品や「痛散湯」という医薬品などを製造し通信販売する会社だ。

 再春館製薬所のバドミントン部には五輪で実績を残した前田や垣岩、世界ランク8位の福万と與猶らが在籍。また、高校2年(福井県立勝山高校)で全日本総合選手権優勝、世界ジュニア選手権連覇といった快挙を成し遂げた大器・山口茜が今春から所属することが決まっている。日本リーグでも上位争いをする強豪なのだ。