ソチオリンピックの開幕が迫ってきた。
今回、日本勢にはフィギュアスケート女子の浅田真央、男子の羽生結弦、ジャンプ女子の高梨沙羅など金メダル獲得有力候補が目白押し。7日から23日までの大会期間中は日本の有力選手が出場する競技に注目が集まり、メダルが獲れたかどうかの一喜一憂が続くはずだ。
ところで、冬季五輪で行われる競技のほとんどは日本では五輪期間以外、注目されることが少ないマイナー競技である。高梨沙羅が直前に放映されたドキュメンタリー番組のインタビューで次のようなことを語っていた。
「(メディアに取材され取り上げられるのは)本当は苦手なんですけど、マイナー競技ですし、注目度を高め選手の競技環境をよくするためにも頑張って取材を受けています」
9個のメダル獲得実績を誇るジャンプ
にもかかわらず選手の意識は「マイナー」
ジャンプは過去、五輪で金3、銀4、銅2の計9個のメダルを獲っている日本の得意種目だ。にもかかわらず選手には「マイナー競技」という意識があるのだ。冷静に見れば、確かにそうかもしれない。五輪直前にはメダルへの期待から競技成績が大きく報道されるようになるが、他の3シーズンはワールドカップなどで好成績を収めてもメディアの扱いは小さい。メディアの露出が少なければ広告効果は期待できず、選手を受け入れ競技活動をサポートする企業は限られてくる。高梨は世界でもトップの実力者に成長したから、化学大手のクラレと所属契約を結ぶことができたが、それまでは厳しい環境で競技を続けていただろうし、今も周囲の選手が苦労しているのを見ているのだろう。だから、こんな発言が出てくるわけだ。
高梨でさえマイナー意識から抜け出せないのだから、他の競技の選手は推して知るべしだ。所属企業はなかなか見つからず、満足なサポートも得られない状況で苦労しながら競技を続けている選手が大半なのだ。
もちろん地味な冬季競技を昔から地道にサポートしてきた企業もないわけではない。