銀行の起源は両替所
戦費調達と共に発展した金融市場

 少し金融の歴史を紐解いてみましょう。14世紀にイタリアのフェレンツェで貿易商を営んでいたメディチ家などは、各地域の通貨を交換する両替業に乗り出し、お金を預かり、代金を支払うサービスなどを手がけました。こうした取引が銀行の起源と言われています。ちなみに銀行を意味する「バンク」は、両替所に置かれていた長い机に由来するようです。

 金融資本市場の発展を語る上で、戦争は忘れてはならない要因です。証券の起源は、中世後期のイタリア都市国家での国債の発行でしたが、次第に国債取引市場が形成されていきました。絶対主義王朝の下、国家対立が激化し、戦費調達は巨大化し、国債の発行は一層活発化しました。一説には、最初に長期国債を発行したのはフランス国王といわれています。しかし、国王の私的債務か国家債務かの区別があいまいで、デフォルトを宣言することも多々あったようです。

 正式の最初の国債は、イギリスがフランスとの戦費調達のために17世紀末に発行したものを指すべきかもしれません。「戦争と国債」「国家の過大債務とデフォルト」の関係はずっと続いています。証券取引所の設立は1611年のオランダ・アムステルダムに遡ります。

 世界最初の株式会社は、1602年設立のオランダ・東インド会社とされています。これらを契機に、株式会社が他の国にも広がり、新しい事業を興す時に便利なツールになっていきました。デリバティブの一種であるオプション取引が生まれるなど、証券取引所の開設とともに金融技術も進化していきます。当時の金融資本市場の中心地だったオランダは、史上初のバブルとなるチューリップ・バブルに見舞われ、その後次第に勢力を低下させました。バブルの歴史も長いということです。

オランダ、英国、米国へ
世界「金融覇権」の盛衰

 オランダに代わって頭角を表わしたのが英国です。新ジョナサンというロンドンシティのコーヒーショップのドアに株式取引所という表札がつけられ、正式な会員組織による取引所が誕生しました。ロンドン証券取引所が正式に発足したのは、その後の1802年です。