“豆博士”や“大弁士”を育てる方法

久保田カヨ子
(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける“久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。2008年、株式会社『脳研工房』を立ち上げ、現在代表取締役。著書に、累計34万部突破のシリーズ『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』(以上、ダイヤモンド社)などベストセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
【株式会社脳研工房HP】 http://www.umanma.
co.jp/

「テレビに子守をさせない」ことは大原則ですが、テレビをうまく利用すれば、これほど手近で便利な教材はありません。おおいに見せてやってください。

 ただし、一緒に見て、幼児の興味の持ち方や、なににどのように反応するかをよく知って、応じていくことが必要です。

そうすれば、感覚・知覚・感性をより発展させられます。

 たとえば、明日は楽しい遠足の場合、天気予報や天気図などを見せます。そこから自分の住んでいる場所や、行き先の天気を予測させるのです。“豆博士”の登場です。

 また、大好きなコマーシャルがあれば、音を消して、そのコマーシャルのセリフを言わせると、“大弁士”になります。

 時報でわが家の時計との秒差をチェックさせたり、声を合わせることで秒読みのリズムを身につけさせます。

 結末はどうなるかといったアニメの話、季節はいつかとか、いろいろと共通の話題を提供してくれます。

味覚や嗅覚もすぐれた
すばらしい頭脳にするには?

 お料理番組などは、「どんな味かな」と味のイメージ、においのイメージをふくらませるのに適しています。

 言葉で言えない味やにおいを画面から想像できればいいのです。

 幼児が「一度食べたいね」「あんな魚は、おいしいとは思わないよ」などと言えば、イメージづくりをして、その批判もしているのですから、味覚や嗅覚の発達もすぐれたすばらしい頭脳に育っています。

 劇中のヒーローにあこがれて、自分が主人公になりきることがあります。
 男の子はだいたい、人間としての能力以上のものを持つ主人公が好きですから、時には思いがけない夢の世界に入ってしまいます。

 危険を計算できない荒っぽさを見せたりします。
 お母さんも男の子の好むアニメなどをよく見ていないと、男の子の行動に的外れの解釈をして叱ることになります。

 このことは同時に、うまく利用すれば、思いがけないがんばりを見せて、大きな協力が得られるということでもあります。