牛肉のブランド価値評価案件では、牛肉市場の生産・消費動向からノンブランド牛肉との単価差や知名度の地域的な広がり、口コミ評価といった多数のデータを収集。それを独自のノウハウで加工し、知財価値をはじき出したという。

銀行にとっても助け舟

 PIPMの新規事業は、実は銀行側にとっても「助け舟」だ。

 金融庁は銀行に対して「事業性評価」という言葉を使い、中小企業が手掛ける事業の将来性を見極める「目利き力」で融資するよう迫っている。そんなことは言われるまでもなく、銀行として当然やるべきことだが、貸し倒れリスクを回避するために担保や保証に依存し続ける中で、銀行の目利き力はさび付いてしまった。

 その点、PIPMが培ってきた、市場動向や競合他社との立ち位置を踏まえた知財の価値評価プロセスは、銀行が忘れかけた事業性評価そのもの。前出の関係者によれば、トライアルを実施した銀行からは「知財価値評価で取引先の将来キャッシュフローが見え、今は苦しいが事業継続を前提にした再生計画を組めそうだ」といった反応が返ってきているという。

 PIPMの新規事業は、資金繰り難の中小企業のみならず、銀行にとっても新たな救いの手となるかもしれない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)