離婚するしかない

息子、ジェイシーの卒業式で家族3人のショット。「ジェイシーは壇上に上がってからガウンと帽子を忘れたと気付き、慌てて人に取ってきてもらった。間に合ってよかったよ」

 長い間、彼女にどういう接し方をしても、彼女という人は一度も変わらなかった。適当に理由を作って彼女と離婚すれば、また自由な身になれる、と思ったこともある。しかし、無理して理由を見つけようにも、見つけられない。彼女は責任感のあるいい母親で、こっちの仕事にもまったく口出ししない。

 だが、すぐに、僕のほうが、例の間違い(愛人関係にあったエレイン・ンの妊娠が露見したこと)を犯してしまった。

 当時、メディアはどこもこの話題で持ちきりだった。ジョアンに電話しようと思ったが、なんと言ったらいいか分からなかった。言い訳は何もなかった。謝っただけで済むようなことではない。いまさら何をしても、もう手遅れだろう、と思った。それで、言い訳はせずに、離婚しよう、と決めた。ここまでのことをしでかしたんだ、離婚しなきゃしかたないだろう、と。そう思うと、楽になった。説明しなくてよくなったから。ただ電話をすればいい。彼女が、自分の罪を問い質してきたら、離婚をしよう、と切り出す。すぐに電話を切る。これしかない。

 彼女に電話をかけた。

「もしもし」

落ち着いた声だった。

(※この続きは『永遠の少年』でお楽しみください)