「特に日本の場合、携帯電話会社の営業力が強い。家庭向け小売り自由化が先行している欧米では携帯電話会社とのセット割はありません。日本ならではの有力参入者と言えるでしょう」(同)

 実際、東京電力と提携しているソフトバンクは有力候補。KDDIも関西電力、中国電力と提携することを発表した。NTTドコモも提携先を模索中だ。

メリットが大きいのは
「電気をたくさん使っている人」

 では、どんな事業者を選べば安くなるのか?現状で発表された新料金を比較してみると、安いのはJXエネルギーや東燃ゼネラル石油などの石油元売り系。彼らは石油精製工場に自前の発電設備を持っている。これをガソリンスタンドに来る顧客向けに販売しようという戦略だ。

 提示された電気料金自体がほかと比べて少し高くても、たとえば携帯電話会社なら、電話料金とのセット割が見込めるし、JXエネルギーは電気料金200円につき、Tポイントが1ポイントつくサービスを行う。こうした周辺サービスを慎重に加味し、自分のライフスタイルに合った、一番おトクな会社を選ぶことが肝心だ。

 また、今回の自由化で恩恵が大きいのは、大家族などで電気をたくさん使用している家庭だ。というのも日本ではオイルショックを契機に長年、「省エネを推進するために、使用量の多い人の電気料金を高く設定してきたからです」(溝口・日本総研シニアマネジャー)。しかし、自由化後は「大口利用者ほど割安に」という、通常のビジネスの原則に合った料金体系が浸透していくだろう。

 家庭の標準的な電気使用量は350kWh程度だが、この程度では、東京電力から、現時点での最安値であるJXエネルギーに切り替えても月額500円程度しか安くならない。しかし、使用量がより多い世帯では、月額1000円を超えるメリットを享受できる。