小売り自由化で
本当に安さは続くのか?

 小売り自由化がそのまま、電気料金の値下げにつながるとは限らない。プレイヤーが増えれば競争原理が働くのは確かだが、一方で国の規制で電気料金を一定水準に抑えていた電力会社の独占時代とは違い、発電コストの高騰などがきっかけで大きく電気料金が値上がる可能性もある制度なのだ。

 実際、英国やドイツでは電気料金が値上がったり、新規参入業者が格安で顧客を集めた後に破綻するなどの問題も起きている。

 日本はどうなるのだろうか?原油安や、今後原発の再稼働が進むことが予想されるなどいった要因を考えると、「少なくともしばらくは、構造的に電気料金は下がる方向に進むはず。標準的な使用量の家庭で、2割ほどは下がる可能性もあります」(溝口・日本総研シニアマネジャー)。

 実際、東京電力カスタマーサービス・カンパニー・プレジデントの小早川智明常務は「原発再稼働に応じて顧客に還元することは当然考える」とした上で、「再稼働に関わらず、コストダウンや燃料調達合理化を進めて価格競争力を高める」と話している。

 過去の大口需要家向けの際も、電力会社はPPSが安い料金を発表すると、それに合わせて自社の料金を下げて行った。そして、電力会社に対抗できるだけの価格競争力を持ちうるのは、やはり大手。東京ガスや石油元売りなど、限られた巨大プレイヤーたちがしのぎを削ることになりそうだ。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 津本朋子)