銀行が貸し出しを増やすかは疑問
株高・円安も長くは続かない可能性

 村田通貨ストラテジストは、「マイナス金利となるのは一部であり、+1%の部分のほうがはるかに大きいため、当座預金全体として見れば実はマイナス金利ではない」と指摘する。

「従って、効果はマーケットが最初に驚いたほどではないだろう。技術的にはマイナス幅を拡大することも可能であり、将来的には全体がマイナス金利となる可能性もある。金融機関がこれで追い込まれたのは事実で、資金は(当座預金への預け入れ以外のところに)しみ出さざるを得ない。だが、それが貸し出し増につながるかと言えば疑問だ。結局は株や不動産などのリスク資産に向かうのではないか」(村田通貨ストラテジスト)

「経済の活性化につながる」と言う井出チーフ株式ストラテジストも、「足元で銀行の貸し出し増に需要があるかと言えば疑問であり、効果が出るまでには時間がかかるだろう」とする。

 市場への影響という面でも、あまり期待はできない、という見方は多い。

「株式市場は冷静に受けとめている。2014年10月の追加緩和では日経平均が当日で約755円、その後数日では1000円以上、上昇したが、今回は29日時点で477円というのはその表れだ。今後について言えば、1万8000円台への回復は少し早まったと思うが、その程度は実力値で放っておいても到達した。そんなことのために今回の決定を行ったとすれば、もったいない」(井出チーフ株式ストラテジスト)

「“やはり量的なところ(国債・金融資産買い入れ)では限界があるから、金利という手段をとった”とマーケットは受けとめるだろう。株高・円安も長くは続かないのではないか」(小玉チーフエコノミスト)