小売店業者がメーカーと共同で開発するプライベートブランド商品(PB)。最近では、スーパーやコンビニエンスストアで、目立つ棚にPB商品が置かれることは珍しくない。メーカーが開発するナショナルブランド商品に比べて低価格であることが特徴だが、近年ではその品質の向上にスポットが当たっている。一昨年の「ヒット商品ベスト30」(日経トレンディ)で1位に選ばれたことも記憶に新しい。

 しかし、その信頼度には男女でやや違いが見られるようだ。

「品質」「味」「信頼」
男性の満足度、女性を下回る

 クロス・マーケティング(東京都中央区)は6月23日に全国の男女2000人(20~69歳、年代ごとに均等割付)に「プライベートブランドに関する調査」を行った。対象とした商品は牛乳やお茶、炭酸飲料、アルコール類などのほか、冷凍食品やカップラーメンなどの食品。

 PBに関して、「価格」「品質」「味」「信頼」「全体」それぞれの項目の“満足度”を聞いたところ、最も高かったのはやはり「価格」(84.4%)。「全体」についても80.9%と高く、PBへの満足度は強いようだ。

 「価格」に比べると低いのは、「品質」(72.8%)、「味」(72.6%)、「信頼」(67.8%)。ここで興味深いのは、これら3つの項目について、すべて女性に比べて男性の“満足度”が低いことだ。「品質」では女性=78.3%、男性=67.0%、「味」では女性=78.8%、男性=66.0%、また「信頼」では男女差が最も大きく、女性=76.2%、男性=58.9%だった。ちなみに「価格」については、女性=86.7%、男性=82.0%。

 一般的に食品の質に厳しいのは女性だと言われるが、PBについてのアンケート結果では男性の方が品質や信頼について満足度の低い結果となった。

PBは安くて当たり前!
次に求められるのは「品質」と「味」

 また、同アンケートによると、全体の満足度に最も大きな影響を与える項目は「品質」と「味」。逆に最も影響の低い項目は「価格」だった。同社では、価格が最も影響が低いことについて「PB商品=価格が安いという意識が消費者に定着していることから」ではないかとしている。PB商品は安くて当たり前、今後さらに求められるのが「品質」と「味」ということなのだろう。

 さらに、「品質」と「味」への満足度が最も高かった商品は「冷凍食品」。以下、「乳製品」、「牛乳」、「ドレッシング・マヨネーズ類」が続く。満足度が低い結果となったのは「缶コーヒー」で、「ビール系飲料」が続いた。

 アンケートを集計した20~69歳全体でみると、男性より女性の方が食品を購入しに出かける機会が多いはず。女性に比べて直接商品を購入する機会の少ない男性にとっては、見慣れないPBに対してまだまだ慎重なのかもしれない。

 以前、あるPB商品の洗剤について、複数の知人男性から「とてもいい」という話を聞いたことがあるが、彼らはすべて一人暮らしの男性だった。独身者と既婚者での満足度の違い、そして食品以外のPB商品についての調査も気になるところだ。

(プレスラボ 小川たまか)