グローバルでブランド価値が急上昇
スバル、マツダはどこが違う?

世界経済が再び陰りを見せるなか、グローバルでブランド価値を上げている日本企業は少なくない。本当に強い企業の共通点とは何か Photo:SUBARU/MAZDA

 世界経済が再び陰りを見せているが、その反面、グローバルでブランド価値を上げている企業は少なくない。とりわけ日本企業には、そうしたケースが多いようだ。市場が混迷するなか、企業にとって「ブランド力」は今や貴重な経営資源である。

 世界最大のブランドコンサルティング会社・インターブランドが毎年発表している「Japan’s Best Global Brands」(グローバル日本ブランドランキング)の2016年版が、このたび発表となった。グローバルで通用する強い日本ブランドはどれか、彼らはなぜブランド戦略に成功しているのか。「Japan’s Best Global Brands 2016」を参照しながら、日本ブランドの強みを分析しよう。

 ちなみに同ランキングは、主要基盤地域以外での売上高比率が30%以上あること、北米・欧州・アジア地域で相応のプレゼンスがあり、新興国も幅広くカバーしていること、ブランドの財務的評価をするために必要な財務諸表情報が公表されていることなどを基準に、対象企業を選定している。

 ランキングの評価基準は3つ。(1)財務分析による、企業が生み出す利益の将来予測、(2)利益のうち、ブランドの貢献度がどの程度か、(3)ブランドによる利益の将来の確実性、という指標の評価によってブランド価値を金額で算出し、ランキング化している。昨年までベスト30の発表だったが、今回からベスト40が発表されることになった。

(注1)Toyota、Honda、Canon、Nissan、Sony、Panasonicについて、「Best Global Brands 2015」にランクインしたブランドは、「Best Global Brands 2015」のブランド価値金額を適用している。(注2)Lexusの海外売上高比率はトヨタ自動車の数値。(注3)Yamahaはヤマハ発動機株式会社とヤマハ株式会社のブランド価値を合算して算出している。海外売上高比率は2社の海外売上高の合計を総売上高で割っている。

 まず、昨年に引き続き、強さを見せるのが自動車関連企業のブランド力だ。40社中なんと11社が自動車関連と、その存在感は圧倒的である。上位に顔を出しているだけでなく、昨年と比べて伸びていることが特徴である。

 中でも、昨年に比べ、ブランド価値が大きく向上したのはスバル(Subaru/12位)とマツダ(Mazda/13位)は、世界的に見ても注目に値するという。

 2社のブランド力向上のキーワードは、「特化」だ。

 まず、スバルのブランド価値は27億7600万ドルで、対前年比39%増だった。この上昇ぶりについて、和田千弘・インターブランドジャパン代表取締役社長CEOは、「スバルは“Confidence in Motion”、つまり安心への訴求という1点に徹底した。これに絞ったことが、消費者のイメージ向上に貢献したようだ」と分析する。

 他方、マツダは同18億9900万ドル、同36%増。「他の自動車メーカーがテクノロジーに関して様々な売り文句をつける中、マツダは『乗り心地』を追求。消費者に対して“乗る楽しさ”、いわば娯楽に特化して提案したことがブランド価値向上につながった」と和田氏は評価する。