2015年9月24日、J.D.パワーは、「2015年日本自動車商品魅力度調査SM(Automotive Performance, Execution and Layout Study,略称APEAL)」を発表しました。新車購入後2~9ヵ月を経過したユーザーを対象に実施した本調査では、ユーザーの関心が燃費や価格など「経済性」から、見た目や運転する楽しさといった「車本来の価値」に移りつつある傾向が表れました。
「安心して乗れる」は当たり前!
魅力度を左右する新たな要素とは
車は2つの軸で評価することができます。
1つは「安心して乗れる」という軸。これは、壊れた、動かない、使いづらい、使いかたがわからないといった「ネガティブな要素がいかに少ないか」を見る評価軸で、前回紹介したIQS調査によってスコアを測ることができます。
もう1つは「魅力的に感じる」という軸です。たとえば、見た目のよさ、乗り心地のよさ、運転しているときの気持ちよさといった「ポジティブな要素がいかに多いか」を見る評価軸です。今回紹介するAPEAL(Automotive Performance, Execution and Layout Study・商品魅力調査)は、この部分をユーザーから聞き、1000点満点で表したものです。
ユーザーとしてはどちらも満足度に影響する重要な評価ですが、最近の車は故障や不具合が少なくなり「安心して乗れる」のが当たり前という感覚が強くなっています。そのため、「いかに魅力的か」を表すAPEALスコアが、所有後の満足感を高めるうえで重要なポイントといえます。
また、安心して乗れる車(IQSスコアがよい)と魅力的に感じる車(APEALスコアがよい)があった場合、当社の調査では魅力的に感じる車のほうが「人に勧めたい」という気持ちが強くなることがわかっています。「勧めたい」という気持ちは「買ってよかった」「次も同じ車を買おう」という意識と相関性が高いため、APEALスコアが高いほど、購入者自身の満足度も高くなりやすいといえます。