最近、先輩よりも後輩のほうが金持ちが多いワケ

 最近私が思うのは、この血気盛んで主体的なファーストペンギンがえらく増えているということだが、その原因を考えると“ファーストペンギンであることが報われる世の中”になってきたということができるだろう。

 私は80年代以降生まれのミレニアル世代より少し年上なわけだが、キャリアに対する考え方という意味では新旧価値観のはざま世代であり、少し上の世代と少し下の世代で、仕事に求めるもののパラダイムシフトを実感する。

 彼らは団塊ジュニアと異なり経済性よりも自己実現や社会的意義に重きを置き、給料よりも職場の雰囲気や一緒に働いている人、そして自由や裁量、やり甲斐を重視する。

 こんな生き方の成功モデルが増えていることも、ミレニアル世代の価値観変化に拍車をかけている。たとえば私の周りを見渡してもご時世、(団塊ジュニアの)先輩より、(ミレニアル世代の)後輩のほうが金持ちのことが多い。

 私の先輩は外資金融に行ったやらなんやらで、年収何億という人も結構いる。しかしサラリーマン生活もそこそこに起業して、うまくキャピタルゲインを得て、何十億、下手したら何百億稼いでいるのが少し下の後輩世代なのだ。

 先輩世代が独立して、よっぽど金持ちになった後輩の資産運用の仕事をもらって起業するというケースもみられるようになった。

ファーストペンギン増殖中のワケ
ROI(リターン・オン・イニシアティブ)【主体性】が上昇中?

 この“ミレニアル世代のファーストペンギン化”の原因だが、まずはメンタリティの変化が大きい。集団生活し、しばしば集団死してしまう(最近も氷山に餌やり場への道をふさがれ15万羽も死んでしまった)アデレードペンギンのように生きたくない、という人が増えている。これは大企業で勤め上げることが決して幸せではない、という価値観が浸透し始めた世代ということもできるだろう。

 なお、起業しやすくなったという環境要因も大きい。株式会社の設立が安価で簡単になったことや通信技術やSNSの発達による起業のしやすさ、またリスクマネーの多様化(特にベンチャーはかなりだぶついているくらい、「何そのアイデア」、という事業に高額のバリュエーションがついている)はここで今更いうまでもない。これに加えてエンジェル投資家など超アーリーステージへの投資家も増え、メンター的役割を果たす人も増えている。

 この“主体性あふれるアントレプレナーシップ”と“環境要素”の掛け合わせがファーストペンギン・ベビーブームにつながっている。

 しかし、いくら環境が良くなっても、そもそも自分自身に主体性がなければ、周りにファーストペンギンが増えるのを羨ましがりながら座視するだけで終わるのである。

 逆にいえば主体性さえあればいろいろ挑戦できる世の中になっているということであり、主体性を伸ばすための投資のリターン、 “リターン・オン・イニシアティブ(ROI・主体性)”が急上昇しているともいえよう。

 それでは、自分でリスクをとって主体的に決断を下し、誰よりも先に動ける“立派なファーストペンギン”を育てるには、どのようにするのがよいのだろうか?