その具体的な中身は、こうだ。現在の高校生の受験勉強は、知識の詰め込みが大半で、大学入試でいかにそれを再生できるかが問われている。すなわち、思考力や判断力、表現力などを駆使して、多様な人々と協働する態度など、真の「学力」が育成されたり、評価されたりするような体制にはなっていない、というものだ。

 そのため、センター試験を廃止し、より思考力などを問う共通試験を導入。また、大学が独自に行う個別入試では、受験生の部活動や就業体験、ボランティア活動を含めた多面的な評価を行うことを求めた。

 もっとも関係者によれば、文科省は当初、複雑になった社会科の科目の整理など、センター試験の小幅な修正を目指していた。ところが、教育再生実行会議の提言、つまりは首相官邸の意向を受け、大改革に走ったものとみられる。

 確かに、「ヤンキー先生」で知られる安倍首相側近のひとり、義家弘介文部科学副大臣は、「文科省の役人は、もう改革から逃げない。覚悟を決めている」と、政治主導の改革だと強調する。「中教審が教育再生実行会議に乗っ取られた」(国立大学関係者)との見方も、あながち間違いではない。

 そして、文科省は一連の改革を「高大接続システム改革」と呼ぶ。改革は大学入試にとどまらず、高校、大学での教育内容を大変革することを意味している。

 具体的には、例えば高校での授業での「アクティブ・ラーニング」の導入だ。現在、多くの高校で行われている板書形式の授業ではなく、生徒同士が互いに問題の解き方を議論し、発表する。そして、生徒自らが主体的に知識と技能を身に着け、周囲と協力して課題を発見し、解決に向けて行動する力を養うというものだ。

 そこで、センター試験に代わって20年度から始まる「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)では、マークシート形式でも思考力が必要な問題とするほか、記述式の問題も出題する。受験科目も、数学と理科を統合したり、英語ではより表現力を重視するものに改めることが検討されている。

 そして大学には、求める学生像や教育方針、学生にとっての知識や能力の到達点を明示させる。