国公立大学の二次試験が25、26日に行われました。今年は東京でも45年ぶりに積雪が25センチを超える大雪となり、私立大学を受験された方は本当に大変だったと思います。
早稲田大学などは、速やかに受験生のために再試験を決定され、さすがの対応でした。安堵された受験生も大勢いらっしゃったことでしょう。
こうしたことがあると、冬の入試を再考しようということになるのですが、だからこそ、せっかく東京大学の濱田純一総長が九月入学を提唱された時に、みんながもっと自分事として考え、議論を盛り上げておくべきだったのです。今からでも遅くはありません。「喉元すぎて熱さ忘れる」前に、関係者はいろいろな考えを発信しておくべきです。
さて、今、教育再生実行会議の提言を契機に入試改革議論が花盛りですが、思いこみ、思いつきの“言いっぱなし放談”になっています。大学入試から考える日本の教育の問題点について、エビデンスに基づき考えていきましょう。
中学高校時代にすべきは
書を読み、友や師と語らうこと
大学入試が、若者の「知」に与える影響が甚大であることは言うまでもありません。日本人の英語力の基礎は大学受験に向けた勉強で大体固められます。反面、詰め込み主義、知識偏重といった問題点が多かったのも事実。英語にしても、クイズ的知識偏重になっているが故に、実践的なコミュニケーション能力が身に着かないと批判されてきました。(実は、これも今やリスニングがセンター試験や東大二次試験などで入り、一部ではかなり改善はされているのですが)
このところ、入試制度改革が活発に議論され、国会でも再三取り上げられました。何を隠そう私も一連の議論の火付け役です。
入試制度改革の今後を占う上で指標となるのが、政府の教育再生実行会議が昨年10月に出した「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について」という提言書、俗にいう「第四次提言」です。