視野を広げ、正しい判断をするにはどうしたらいいのか?

 視野を広げるとはどういうことか? これはつまるところ、他の人よりも違った視点で考えることができ、問題や事象の全体像を多角的にとらえることができることを意味する。

 異なった考え方ができる人とは、単に変な人のことを指しているわけではない。周りの同じようなことばかり考えている賢い人たちに対し、自分のユニークなバックグラウンドやスキル、視点から付加価値を提供できる人のことである。頭の良さは標準的なテストで簡単に測れるが、この多様な付加価値に関してはかなり評価が難しい。よって欧米のビジネススクールなどでは入試で、テストよりエッセイやインタビュー、推薦状を総合的に判断し、多様性を重視するのである。

 本稿では、一流のプロフェッショナルが持つ、プロフェッショナルとしての視野の広さについて論じたい。

【視野を広げる方法1】多様なキャリアが視野を広げる

 私は多様なグローバルキャリアを渡り歩いてきたわけだが、仕事を変えるたびに視点が相対化していった。

 投資銀行からコンサルに移った時は、資料が全然論理的でなく、MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)でないと随分叱られたものだし、コンサルからバイサイドの資産運用会社に移った時は「だらだら長い論理的な資料より、儲かるかどうかの3キーポイントを」と叱られたものだ。プライベートエクイティに移った時は「投資環境より、投資の背景やバリューアップの方策に重きを置いて」と言われたものだし、実際に公開株の論理では到底買ってはいけない会社でも、プライベートエクイティならではのアクティブマネジメントを通して大成功に終わった案件もたくさんあった。

 ここでのポイントは、仕事を変えるごとにビジネスモデルが変わるため、仕事で重視されるポイントが変わり、視点も多様化するということだ。

 最近、某経済誌のアンケートで、いま新卒にどの会社を受けることを薦めるか、と言う質問をいただいた。

 これは新卒の個々人が何をやりたくて何に向いているのかを知らないと当然答えられないわけだが、それでも20代にお薦めしたい仕事の軸は「視野と選択肢が広がるかどうか」に尽きる。