ソフトバンクと言えば、今でこそ携帯電話会社として知らない人はいないほどの存在です。
しかし、携帯電話を始める前は、いったい何をしている会社なのか、世間一般からは怪しげな目で見られた存在でもありました。業績も不安定で、ことあるごとに「倒産危機」が囁かれた会社でもありました。
ところが、長らく“ベンチャー経営者の雄”と言われた孫社長も、今年で創業30周年を迎えると聞けば、たいていの人は「えっ?」と驚くのではないでしょうか。
しかも、2009年度の国内企業の連結営業利益では、“国内3位”。いつの間にか、ソフトバンクという会社は、国内の大手企業と顔を並べるような位置に着けているのです。
今週号では、毀誉褒貶と共に語られることが多かった孫社長とソフトバンクという企業について、真正面からスポットを当てることにしました。
過去30年間を振り返り、孫社長はいかに社会の既成概念を破壊しながら、ソフトバンクを成長させてきたのか――。是々非々で、過去と今を“検証”しています。
取材を進めていく過程で、「あれも」「これも」と話が広がり、結局、全部で36ページもの大特集になりました。事象を掘り下げた記事が満載で、プロ野球チームや面白CMで人気を獲得して快進撃を続けるソフトバンクの本質について、よく理解できるようになっています。
特集は4部構成で、(1)「新30年ビジョンを読み解く」、(2)「過去と今を検証」、(3)「快進撃は続くのか」、(4)「孫社長・独占インタビュー」などに加えて、ソフトバンクの歴史、人脈図、名言集、面白CMの舞台裏などのコラムもあります。
加えて、ソフトバンクとは対峙する立場にあるNTT持株会社の三浦惺社長が、通信事業者の矜持について冷静に語るインタビューや、インターネットの言論サイトやツイッター上で過激な発言を繰り返す、ソフトバンクモバイルの松本徹三副社長が、孫社長との出会いについて熱く語るインタビューもあります。
特集の最後には、全体の6分の1(6ページ)を費やした孫社長の独占インタビューがあります。6月25日に発表したばかりの「新30年ビジョン」に込めた孫社長の思いや、発表会の舞台では話さなかった哲学まで、大いに語ってくれました。
過去に、孫社長とソフトバンクに振り回されてきた通信業界関係者はもちろんのこと、ごく最近になってから孫社長のツイッター上の発言でファンになった人たちまでが楽しめる“永久保存版”の特集になっています。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 池冨 仁)