ひとつ具体例を挙げましょう。
-----------------------------------------------------------------------------------
作業に慣れているAさんと、不慣れなBさんがいます。この二人に一緒に作業するように指示をしたとします。いまから作業を始めたら、いつ終わるでしょうか?
------------------------------------------------------------------------------------
こんな問題を考えてもらうことがありますが、多くの方が「こんなの、答えようがない」と言います。
とても残念な反応です。おそらくこういうタイプの方は現場でも「なるべく早く終わらせろ」なんて指示をしているのではないかと邪推してしまいます。
念のため筆者の考えを申し上げますと、この仕事をAさんとBさんがそれぞれひとりでやったら、どのくらいの時間がかかるのかを数値化します(まず、この思考がなかなか出てこないようです。数字で考える発想がない証拠ですね)。
仮にAさんが2時間、Bさんが4時間だとします。あとは電卓の仕事です。
Aさん:1時間で50%処理できる
Bさん:1時間で25%処理できる
↓
AさんとBさん:1時間で75%処理できる
仕事量を1とでもおけば、1÷0.75=1.333……
つまり、1時間20分ほどで終わる計算になる。
AさんとBさんには、「1時間目標で、遅くとも1時間半後までには終わらせるように」などと指示するでしょうか。
「いつ?」に数字で答えない
要するに、筆者がお伝えしたいのはこういうことです。
「いくら?」には、当然のように数字で答えるのに、
「いつ?」には、数字で答える発想がそもそもない。
この例に限らず「いつ?」に対して、こんな答え方をするビジネスパーソンがとても多いことを研修の現場で感じます。