失業率見通し(最終四半期)は2016年が4.7%に据え置かれ、2017年は4.7%から4.6%へ、2018年は4.7%から4.5%へ引き下げられた(改善方向への修正)。また、長期均衡水準は4.9%から4.8%へ引き下げられている。

 失業率見通しは足元の想定を上回る雇用情勢の改善を映じ、2016年分から引き下げられると筆者は想定したが、実際の見通し引き下げは2017年以降だった。これは足元で生じている労働参加率の上昇を反映したためである可能性が高い。

 労働参加率の上昇は、労働市場への再参入の増加を意味し、また潜在成長率の押し上げにも繋がり得る望ましい動きだが、失業率に対しては押し上げ方向に作用する。なお、失業率予想の引き下げと成長率予想の下方修正の並存は、FOMC参加者が生産性上昇率に関する想定を引き下げた可能性を提示している。

現実に照らし弱気過ぎるインフレ見通し
早晩、上方修正で利上げペース加速か

 インフレ率見通し(最終四半期前年比)は、ヘッドライン個人消費支出デフレーター(PCED)が2016年について+1.6%から+1.2%へ下方修正された。昨年12月以降の原油価格の動きを反映した修正であり、想定通りと言える。予想外だったのはコアPCED見通しが2016年について+1.6%に据え置かれ、2017年は+1.9%から+1.8%へ下方修正された点である。

 FOMC会合の結果発表に先立ち公表された2月のコアCPIの上振れ(市場予想の+2.2%に対し前年比+2.3%)を踏まえると、コアPCEDは2月に+1.8%(1月+1.7%)まで伸びを高めると見込まれ、2016年2月データで翌2017年のFOMC参加者見通しにまで達する可能性がある(図表3)。これはコアPCEDの先行指標として位置付けられる刈り込み平均PCEDが、既に1月に+1.9%まで上昇していた点とも整合する。

◆図表3:PCEデフレーター等の推移と見通し

FOMC“慎重過ぎる姿勢”は追加利上げへの布石注:PCEデフレーターとコアPCEデフレーターの最新月はクリーブランド連銀予測
出所:米商務省、ダラス連銀、クリーブランド連銀、SMBC日興証券