「海外へ行って専業主夫」
妻のキャリアを優先する夫たち

自分よりも妻のキャリアが大切。そんな「嫁キャリア優先」夫が登場しています

 女性活躍推進法がこの4月1日から施行されました。このような時代の潮流を受けてか、夫婦で夫より妻のキャリアを優先する、いわば「嫁キャリア優先」の選択をよく見かけるようになりました。

 最近あった事例を紹介しましょう。ある有名企業に勤務している30代前半の優秀な男性がいました。久しぶりに連絡が来たと思ったら退職のあいさつで、なんと「海外へ行って専業主夫になります」とのこと。

 妻が海外への転勤が決まったので、それに合わせて自分は勤務会社を退職し、妻と一緒に現地へ移り住み子育てに専念するのだそうです。

 国内の例もあります。ある夫婦はもともと、夫は関東、妻は関西で働いていて遠距離別居婚をしていましたが、やはり一緒に住みたいということになり、妻が転勤願いを出した結果、見事に関東への転勤がかないました。

 しかし、これで首尾よく問題解決とはなりませんでした。なぜなら夫の勤務地は埼玉県だったのに対し、妻の転勤先は神奈川県で、同じ関東でも非常に距離が離れていたからです。せっかく同居できてもこれではどちらかの、あるいは二人とも通勤が大変になってしまいます。

 結論として2人が出した答えは、「夫が妻の会社の近くで働けるように、いまの会社を辞めて転職する」でした。もしこれがひと昔前なら、妻は夫の仕事に合わせて関西の会社を退職し、夫のいる埼玉県から通勤できる会社を改めて探したり、近隣でパートの仕事を見つけたりしていたでしょう。しかし、この夫婦は妻のキャリアを優先したのです。時代は変わりました。