人は緊張すると、早口になります。
 ある社員は、ドライバーの私が心配になるくらい話し方に余裕がなくて、「こんなに早口で話していたら、時間が持たないのではないか」と私が思った矢先、15分でネタ切れ。

 小山社長は、「時間が足りなくて『もっと時間をください』と言ってくる社員もいるというのにおまえは……」とあきれ、なんと、その社員をタクシーからおろしてしまったんです。さすがに、これには驚きました(その後、更迭)。

 朝からセミナーがあるときは、本社以外の場所、たとえば、品川のホテルに向かうことがあります。

 混雑していると、1時間近くかかる。
 お迎えする社員は、1時間分のネタを用意しておかなければいけませんから、準備も相当大変だったと思います。
 高梨さん(高梨昌俊本部長)は、品川に行った回数が多かった気がしますね。

 はっきり本人に聞いたわけではありませんが、小山社長は、心理学を学んでいるのではないでしょうか。

 どうしてそう思うのかというと、社員のタイプや性格に合わせて「ほめる」と「叱る」を使い分けていたからです。

 小山社長は人間心理をよく理解していて、「どのように指導すれば社員が伸びるのか」がわかっていたのでしょう。

 時には、「かばん持ち」の社長が同乗することがありました。
 私もたくさんの「かばん持ち」を見てきましたが、「勉強する意志を持っている社長」と、「それほどでもない社長」の違いは、なんとなくわかるようになりました。

 意志を持っている社長は、熱心にメモを取っている。でも、それほどでもない社長は、眠い顔をしているだけです。

 私はこれまで、たくさんの経営者を乗せてきましたが、小山社長ほど「よく働く社長」はいません。会社経営のことはよくわかりませんが、それでも小山社長のお迎えを続けたことで、「中小企業の成長は、社長の努力に比例する」ことを教えていただいた気がします。

 最新刊『1日36万円のかばん持ち』には、特別付録として、「三流が一流に一夜にして変身!3日で108万円払った社長も知らない!役立つ着眼点・習慣・秘録リスト24」が掲載されていますので、ぜひ見てください。