めまい、しびれ、目のかすみ、頭重感──。疲れたときなどに多くの人が経験する症状だろう。しかし、脳血管系の疾患の可能性を排除できない。
脳の血管が詰まって起こる脳梗塞の前兆ということもあるかもしれない。脳梗塞に加え、血管が破れる脳出血やくも膜下出血など、脳の血管にかかわる一連の病気は、必ずしも高血圧、高血糖などリスクファクターを持つ人がかかるとは限らない。「うつ」にしても、脳血管と深いかかわりのある症状で、心因性のものばかりではない。
機器の新しさと診断の確実さで
病院を選びたい
一時的でもそのような症状が気になったら、「脳ドック」を受けてみてはいかがだろうか。MRI(磁気共鳴画像)やMRA(磁気共鳴血管画像)を使った画像診断で、未破裂脳動脈瘤や脳腫瘍の有無、脳梗塞の予兆、認知症の原因にもなる脳萎縮などを調べることができる。
脳ドックは1980年代後半に行なわれるようになり、今では多くの医療機関が実施している。
病院選びのポイントは、機器の新しさと診断の確実さだろう。MRIとMRAは、少なくとも1.5テスラ(磁場強度の単位。高いほど鮮明な画像が得られる)以上がよいといわれる。また、その画像を実際に診断する医師の目の確実さが重要である。脳神経外科などの専門医がいることや、検査件数の多さが、病院を選ぶ際の一つの目安となる。