日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、去る6月18日、帝国ホテルにおいて大韓商工会議所流通物流振興院ならびに韓国便宜店(コンビニエンスストア)協会と、「日韓流通協力に関する了解覚書(MOU)」を締結した。同覚書は、将来的な導入をめざし、実務レベルでの協議が行われている日韓FTA(自由貿易協定)を見据えた協力関係推進を記したもので、今後は、これに基づいて人的・物的交流や共同調査などの活動がスタートすることになる。
締結式には韓国側から、崔炅煥(チェ・ギョンファン)知識経済部長官(日本の経済産業省長官に相当)や、金勝植(キム・スンシク)大韓商工会議所物流振興院院長、白正基(ペク・チョンギ)韓国便宜店(CVS)協会会長、智光薫(チ・グァンホン)韓日産業技術協力財団専務理事、許珉豪(ホ・ミンホ)CJオリーブヤング代表らが出席。日本側からは、寺西忠幸JACDS会長をはじめ、樋口俊一副会長、関口信行副会長、久松正志副会長、富山睦浩副会長らが出席した。
締結式の冒頭で、まず韓国の崔長官が「現在、韓国と日本の間ではFTAに関して協議が行われています。韓国の事業者からは、日本の流通市場に、なかなか韓国製品が行き届かないという声が私に寄せられています。そうした面から、今日のMOU締結は今後に向けて非常にポジティブな影響を及ぼし、意義深いものになるのではないかと考えています。今日のMOUを契機に、両国間の流通業界の交流がますます深まることを期待しています」とのあいさつが寄せられた。
それを受けて、衆議院議員としても奮闘している樋口俊一副会長が「昨年、わが国も政権交代を果たしました。民主党政権は、東アジア共同体構想や観光、環境、健康という3分野で成長戦略を立てております。私どものチェーンドラッグストア協会は、まさに地域のお客さまの健康を管理する団体ですので、貴国との交流にさまざまな期待を寄せております。先ほど、FTAの話がありましたが、わが国も東アジアの各国と、できる限り取り組んでいきたいと考えています。日韓は共に世界の中でも非常に重要な国ですので、互いに交流を深めて、両国が栄えていくことを、われわれも期待しております」と、崔長官に返礼するかたちでのあいさつが送られた。
覚書には寺西会長、金院長らが署名、その他の参加者がそれを見届けるかたちで、和やかに覚書が締結された。今後は、これをきっかけにH&BCのカテゴリーで商品の交流が進むこととなる。
将来的には、より活発な商品の二国間流通やアジア・世界を対象とした共同商品調達などの可能性も考えられ、これまで近くて遠い国とされてきた日本と韓国が、新しいステージに上る第一歩を踏み出した。
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