『入社1年目の教科書』より
ガツンときた「上司の一言」

仕事より合コン優先だった入社1年目。そんな熊谷氏が変わることができたのは、信頼していた上司からの厳しい一言だった。


岩瀬 そのようにスタートした熊谷さんの会社員生活、大きく変わったのはいつですか?

熊谷入社2年目になる前くらいです。あ、そういえばその時、の同じチームの先輩に「お前はこれを読め」と、岩瀬さんの『入社1年目の教科書』を渡されました(笑)。

岩瀬 入社2年目になろうというときに。

熊谷 そうなんです。で、読んだんですけど、全く頭に入ってきませんでした!!

岩瀬 なんと!

熊谷 僕の場合、本の内容がシックリくるようになったのはもう少し経ってからでしたね…。

岩瀬 怒られてばかりだったと言いましたが、怒られているときはどんな態度だったんですか?

熊谷 「態度」は最悪だったと思います。何て言うか、1年目で何も出来ないし、超厳しいことで有名な上司だったので怒られるのは仕方なかったと思うんですが、僕の場合、なんか怒られる度に難癖をつけたり、ふてくされたり、コジらせたりしていました。不必要なプライドがあったんです恐らく。

「何を言ってるんだこのオジさんは、やかましい。学生気分とか言ってくるけど、つい先ほどまで学生でしたからねこちとら!!」みたいな気持ちだったはずです。だから怒ってる側からしても可愛くはなかったと思います。最悪ですね。
  当時は毎日戦争しているような感じでした。部の名物になってました。

岩瀬 熊谷さんのスイッチが入った上司からの一言とは、具体的には?

熊谷 ある日上司に、「お前は能力があると思ってこっちもいろいろ頑張ってきたけど、正直態度も悪ければ能力らしいものも感じられないし、もうお前はダメかもしれないな」と。深刻な顔で、明確に、はっきり言われました。

岩瀬 引導を渡された感じですね。

熊谷 ですね。それまでは何を言われても「うるさいな」くらいしか思わず調子に乗っていましたが、この上司の一言が予想以上に突き刺さって。

  あれ、突然能力がないという烙印を押されしまったヨ。ああ自分には能力がないのかもしれない、ああどうしよう、どうしよう、死ぬ、恥ずかしい、何をやってるんだ、と身悶えしました。そのとき、基本的なマインドが結構変わりましたね…。

岩瀬 熊谷さんのことを信頼し、かわいがってくれた、一番よくしてくれた上司から見放される。これはたしかに効きますね。ガミガミ怒られるよりも、「もうダメかも」と言われるほうがつらい。

熊谷 おっしゃるとおりです。なので、入社2年目からは「切れかかった信頼の糸ををしっかりより合わせる」ことに、突如として躍起になりました。

※さて、入社2年目で覚醒した熊谷さん、その後どのような変貌を遂げるのか。続きは明日公開予定です。お楽しみに。