アイデアに富む数々のウェアラブル・スタートアップ

 ここでは、今注目のイスラエルのウェアラブル・スタートアップの数々を紹介していこう。

 まず、LifeBEAM社である。バイオセンサーが埋め込まれた帽子やヘルメットを使うことによって、血圧や体温をリアルタイムで測定することができる。

 LifeBEAM社の創業者はオムリ・ヨッフェ(Omri Yoffe)氏とジブカ・オロン(Zvika Orron)氏。2人ともイスラエル軍のパイロットをしていた時にこの生体センサーのアイデアが浮かび、実現させた。軍の経験がそのまま日常生活に応用された技術になっているのが、イスラエルらしい。

 続いて紹介するのは、UpRightと呼ばれるウェアラブル機器である。この機器は背中に取り付けるもので、姿勢が崩れると振動して姿勢を正すように促す。

「『姿勢を良くしなさい』と、誰もが母親から言われた経験があると思う」と創業者でCEOのオデッド・コーエン (Oded Cohen) さん。しかしコーエンさんは姿勢が悪かったために背中を痛めてしまった。それからヒントを得て立ち上げたのがこのスタートアップ。2万円を少し超える価格で購入することができる(2016/4/1現在)。腰痛持ちの方は、試してみてはいかがだろうか?

Healthwatch Technology社が提供するhWear Lineも、画期的な生体センサーである。センサー付きのTシャツで、これを着ることによって自動的に脈拍や体温が、医師のスマートフォンに電子データとして転送される仕組みとなっている。

 また、MUV Interactive社が開発したBIRDと呼ばれる機器は、指につけることで、自在にスクリーンに映し出された画面を操ることができる。BIRDにはモーションセンサー、タッチセンサーなどの機能が備わっており、それによって指の動きを察知でき、タッチ操作も可能となる。BluetoothでPCやタブレットと接続することで動作する仕組みになっている。

 他にも、室内の赤ちゃんの居場所を離れた場所でスマホで把握することができるhereOや、メガネに取り付けて指差したものをズームして見ることができるOrCamなど、イスラエルのウェアラブルのアイデアは、私たちの生活に「ありそうでなかった」を提供してくれる興味をそそるアイデアばかりである。